テレビでハチの巣駆除を紹介する番組を見ることがあるけれど、実際どのくらいの費用がかかるものなの? 福岡県を拠点に、九州・中国エリアで累計30万件以上の相談・ハチの巣駆除を行っている株式会社蜂屋のサカイの代表取締役社長・坂井徳次さんに詳しい話を伺った。
「当社の場合、ハチの巣駆除は基本料金が9720円となっており、駆除する場所によって追加料金がかかります。ただし、当社の統計では、約70%は基本料金で済んでいます」(坂井さん)
例えば、5m以上の高さや壁の中、床の下などの巣を駆除する場合は、追加料金として7560円がかかる可能性があるそう。とはいえ、状況によって料金は異なるようなので、まずは電話で見積もりを依頼すれば、ほぼ明確な金額を案内できるとのこと。
予想していたよりは安く感じられたが、業者によっては前述の料金の3倍くらいの費用がかかる場合もあるそうなので、駆除が必要になった際は、複数の業者から見積もりをとったほうが、無駄な出費を抑えられるかもしれない。
では実際にはどのように駆除をするのだろうか?
例えば屋根裏の場合は、懐中電灯の光でハチを誘導しつつ、殺虫剤で一網打尽にしたり、また、人が入れないような場所では、ファイバースコープを使用するため、天井や壁、床下を切らずにハチの巣駆除ができる場合もあるとのこと。家を傷付けずに駆除ができるのはありがたい。
ちなみに、巣を駆除したらそれで終わりではない。駆除したあとには、日中巣の外で活動していたハチが戻ってくる“戻りバチ”も駆除しなければならないため、巣のあった場所に独自の薬剤を撒布しておき、戻りバチも駆除するそうだ。ただし、これは同社のやり方。「全国にはあまり駆除技術が高くない業者も多いので、依頼する際は注意してほしい」と坂井さん。
ところで、大きい巣は無理でも、つくりかけの小さな巣なら自分でも駆除できそうな気もする……。「4月~5月ごろで女王バチが1匹しかいない場合であれば、市販品の殺虫剤で駆除できます。また、バドミントンのラケットで叩き落とすのも効果的です」(坂井さん)
とはいえ、これはアシナガバチの場合。スズメバチの場合は、どんなに小さくても必ず業者に依頼するようにとのことだった。ただ前述の駆除方法は、今まで2万件ほどの駆除経験のある坂井さんだからなせる技でもあるだろう。不安が残る人は、自分で駆除をしないほうがいいかもしれない。
また、最近テレビで紹介され話題になっている、ペットボトルを使ったハチトラップについては、「間違った方法なので絶対にまねをしてはいけない」と坂井さん。というのも、ハチが集まってしまって危険な状態になり、トラップが原因で駆除依頼を受けることもあるそう。
ハチは12月~3月はほとんど活動しなくなるそうだが、まだ少し先の話。もし、最近家のまわりでハチをよく見かけるようなら、近くに巣ができてしまっているかもしれない。近くの業者に連絡をして、点検してもらうと安心だろう。