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3年以内で辞める大卒生3割、離職率を下げるには?

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厳しい就職戦線を乗り越えたのに…

3年以内で辞める大卒生3割、離職率を下げるには?

生労働省の発表では、平成22年3月に卒業した新規学卒就職者(以下、新卒者)の入社3年以内での離職率は、下記のような状況です。

●中卒者 62.1%
●高卒者 39.2%
●大卒者 31.0%

新卒者の離職率については、以前から「七五三」と言われてきました。意味としては、入社3年以内に離職する割合が、中卒者は7割、高卒者は5割、大卒者は3割になるということです。今回の発表でも、大卒者に関しては「七五三」が当てはまっています。最近になって始まった現象ではありませんが、厳しい就職戦線を乗り越えてせっかく入社した会社を3年以内に辞めてしまうのは非常にもったいない話です。また、コストと時間をかけて採用活動を行った会社側にとっても大きな損失です。

期待と現実のギャップが原因。ありのままに誠実な情報発信を

では、何が原因なのでしょうか?離職の理由に関しては、各個人あるいは各会社によって千差万別だと思いますが、代表的な離職理由として「期待と現実のギャップ」があります。新卒者が入社前に抱いていた会社の期待像と、入社後に実感した現実の会社の姿の間にギャップを感じて、離職してしまうのです。就業条件や仕事内容、社内の人間関係や雰囲気など、ギャップを感じるポイントもさまざまです。これらを完全になくすことは不可能に近いですが、小さくすることはできます。

多くの企業では、優秀な人材を確保するために、ある程度は自社のことを誇張して伝えます。短期的に見ると採用に関しては有効かもしれませんが、認識のギャップが大きい社員は最終的には離職してしまうことが多いので、長期的に見ればマイナスに働きます。やはり、会社の良い部分も課題となっている部分も、ありのままに伝えることが最善の方法です。特に、労働時間や休日などの就業条件に関しては、現状と違う情報を伝えてしまうと後々にトラブルの元になりますので、正確な情報を伝えるべきでしょう。また、インターンシップなどを積極的に活用したりすることで、実態をキチンと見てもらったうえで入社してもらうことも大切です。

せっかく時間とコストをかけて行う採用活動ですから、離職率が低いに越したことはありません。そのためには、入社した後に「思った通りの会社だ」と新卒者が感じるような情報発信が必要不可欠です。小手先のテクニックではなく、誠実さが問われるのではないかと思います。

経営者と社員の生きがいづくりを支援する専門家

福留幸輔さん(生きがいラボ株式会社)

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