まずは、転勤の内示が出た際の心境について質問。回答は「不安が大きかった」(41.7%)「不安半分、期待・楽しみ半分だった」(41.7%)「期待や楽しみが大きかった」(16.6%)となった。転勤をポジティブにとらえる人よりも、なにかしらの不安を抱えている人が多いようだ。
では、どんなことに不安があるのだろうか? 「不安が大きかった」「不安半分、期待・楽しみ半分だった」の人に、不安を感じた理由についても質問した。結果は以下のとおり。
Q. 転勤の内示が出たとき、不安を感じた理由は何ですか?(複数回答)
1位:転勤先が住みやすい場所かどうかが不安だった(41.6%)
2位:(自分、もしくは伴侶が)転勤先の業務内容で能力を発揮できるかどうかが不安だった(36.8%)
3位:(自分、もしくは伴侶が)転勤先の職場の人間関係になじんでいけるかどうかが不安だった(31.6%)
4位:短期間で引越しをしなければいけないことが不安だった(18.4%)
5位:転勤先の地域の町内会などのコミュニティになじめるかが不安だった(10.8%)
6位:伴侶や子どもが新しい土地や学校(幼稚園・保育園)になじめるかが不安だった(8.0%)
7位:(自分、もしくは伴侶が)出世から遠ざかってしまわないかが不安だった(7.2%)
8位:転勤先の「食」が合うかが不安だった(6.8%)
9位:伴侶や子どもが引越しを嫌がらないかが不安だった(5.2%)
9位:伴侶や子どもが自分についてきてくれるか(単身赴任をしなければならないか)が不安だった(5.2%)
9位:転勤先の「方言」が分かるかが不安だった(5.2%)
12位:その他(4.4%)
1位の「転勤先が住みやすい場所かどうかが不安だった」(41.6%)。約半数の人が選択しており、はじめての土地で暮らすことが、どれだけ精神的な負担になるかが分かる。土地勘のない場所での生活は、電車の乗り継ぎやスーパーの買い物など、単純なことでさえ慣れるまでは大変そうだ。
2位の「(自分、もしくは伴侶が)転勤先の業務内容で能力を発揮できるかどうかが不安だった」(36.8%)。従来の業務内容と異なる場合は、自分の能力が試されることになる。若手であれば、できなくてもある程度は許されることもあると思うが、ベテラン層になるとそうもいかない。アンケート結果を男性年代別(以下画像参照)で見ると、男性は20代(28.6%)に対し、40代(50.8%)と、年代が上がるごとに2倍近い数値となっている。若手のうちにしっかりといろんな業務を身に付けておくほうが安心だろう。
3位の「(自分、もしくは伴侶が)転勤先の職場の人間関係になじんでいけるかどうかが不安だった」(31.6%)は、自分のコミュニケーション能力に関する項目。男性年代別で見ると、20代(57.1%)、40代(27.9%)となり、こちらは年齢が上がるにつれて不安は減少するようだ。長年の仕事や生活で、人付き合いに対していろんな経験を積んだ結果だろうか。
さて、不安要素が多い転勤だが、なかにはメリットも数多くある。冒頭のアンケートで、「不安半分、期待・楽しみ半分だった」「期待や楽しみが大きかった」を選択した人に、期待や楽しみを抱いた理由についても回答してもらった。
Q. 転勤の内示が出たとき、期待や楽しみを抱いた理由は何ですか?(複数回答)
1位:今の職場や人間関係を変えたかったから(26.9%)
2位:今の仕事内容に退屈していたから(21.7%)
3位:転勤先の土地が好きだったから(住みたい場所だった)(21.1%)
4位:転勤は出世の通り道だと思ったから(18.3%)
5位:転勤先の「食」文化が楽しみだったから(15.4%)
6位:伴侶や子どもにさまざまな人との出会いや経験をもたらすことができるから(14.3%)
7位:転勤後に住む物件が、良い条件の物件だったから(12.6%)
8位:その他(8.6%)
9位:引越しが好きだから(5.1%)
1位の「今の職場や人間関係を変えたかったから」(26.9%)や2位の「今の仕事内容に退屈していたから」(21.7%)は、現状の職場環境や仕事に対して何らかの不満を抱いている人が、転勤によって生活に変化を与えられることを期待しているのかもしれない。
その他のフリーコメントにもさまざまなコメントが寄せられているので紹介しよう。
「恋人の住んでいる場所と近かったから」(28歳・女性)
「とにかく地元から出たかったので」(35歳・男性)
「転勤先が地元だから」(39歳・男性)
「夫が家にいなくてうれしい」(49歳・女性)
まったく知らない土地や職場で新しい生活をスタートするのは、不安が大きいかもしれないが、自分の意識次第でそれらをプラスにすることもできるだろう。しっかりと家探しをしたら、あとはなるようになると、割り切ってみるのもアリかも?