投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が7月20日~7月24日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は上値が重い展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で年内利上げの方向性が示されたことから、当面は底堅い値動きが予想されている。ただし、多くの市場関係者が想定しているドル・円の当面のレンジ120円-125円の上限に接近しつつあることや、日本銀行の黒田東彦総裁が「口先介入」した水準(124円台後半)を考慮すると、一段のドル上昇は考えにくい。
利上げについて米連邦準備制度理事会(FRB)から、さらにタカ派的な発言(利上げに前向き)が聞かれた場合はドル買いとなるが、そのような材料がない場合、124円台で積極的にドル買いを実行する状況ではないと予想される。
【日本・6月貿易収支】(23日)
5月は2172億円の赤字だったが、6月は458億円程度の貿易黒字が予想されている。貿易黒字となるのは今年3月以来、3カ月ぶり。2014年6月は8340億円の赤字だったことから、貿易収支は前年同月比で大幅に改善されることが確実視されており、円買い材料となりうる。6月貿易収支が予想通りの場合、米利上げ期待を背景としたドル買いはやや一服する可能性がある。
【米企業業績】(20日-24日)
4-6月期の米企業業績が好調ならば、米株高・ドル高の流れとなる可能性がある。アップル、ヤフー、ゼネラル・モーターズ(GM)、キャタピラー、スターバックス、アマゾン・ドット・コム、AT&Tなどの主要企業の業績発表が予定されており、多くの企業で市場予想を上回った場合はドル相場に対する支援材料となる。
7月20日-24日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。