そこで、東京都品川区でスペシャルティコーヒー専門のビーンズショップとロースタリーカフェを運営する、ロースター兼バリスタの石井利明さんに、自宅でおいしいコーヒーを入れる方法を教えてもらった。
「コーヒー豆や水の量、温度などを計るとおいしくなりますが、それをするのはなかなか手間がかかってしまいます。自宅でコーヒー豆を挽いていただくだけでも、十分おいしいコーヒーになりますよ」(石川さん)
コーヒー豆の形状は、香りを閉じ込めておくカプセルのようなもの。豆を挽いてしまうと、香りが逃げてしまうので、入れるまで豆の形状で保管しておくことが重要なのだとか。また、入れる器具については、ペーパードリップが手間もかからず料金も比較的安価なのでオススメだそう。
ちなみに、ペーパードリップの種類は大きく分けて、台形型と円錐型の2種類があり、味の好みによって使い分けるとなお良いとのこと。「苦味やコクのある深煎りコーヒーが好みの人は台形型を。さわやかで酸味のある浅煎りコーヒーが好みの人は、円錐型のペーパードリップを使うとコーヒーが早く落ちるので適しています」(石井さん)
おいしいコーヒーを飲むためには、ビーンズショップでコーヒー豆を購入して、自宅で飲む前に豆を挽き、好みの形のペーパードリップで入れるだけ。どれも簡単な作業なのでコーヒー初心者でも手軽に試せそうだ。
とはいえ、もっとこだわりたい人は、お湯の温度を調節する方法もあるそう。深煎り豆の場合は、苦味が出やすいのでお湯の温度を低めの85~88度程度に。浅煎り豆の場合は高めの90~93度のお湯で、香りを出しやすくするのがコツなのだとか。
さて、入れ方については分かったが、もうひとつ気になるのがコーヒー豆の保存方法ではないだろうか。「コーヒー豆の場合は、密閉容器に入れて常温保存をしてください。真夏は1カ月、冬は2カ月ほど保存できます。粉コーヒーの場合は、密閉容器に入れて冷凍庫で1~2カ月ほど保存できます。ただし、冷凍庫から取り出す際に結露するのを防ぐために、出し入れは素早く行ったほうがいいです」(石井さん)
話しを伺っているうちに、実際にコーヒー豆からコーヒーを入れたくなってきた。だが、コーヒー初心者にとっては、どの豆を選べばいいのかが分からない……。オススメのコーヒー豆ってあるのだろうか?
「酸味が苦手な人には、ブレンドのグラッセやノワール、マロンがオススメです。ほかには、コーヒーらしくないフルーティーな印象が残る、エチオピアやブルンジもおいしいですよ」(石井さん)
エチオピアやブルンジは、ブルーベリーやピーチ、マスカットなどのフルーティーなフレーバーが次々と押し寄せてくることが特徴のようで、石井さんも好きなコーヒー豆のひとつなのだそう。
前述のコーヒー豆は、AMAMERIA ESPRESSOのウェブサイトで購入可能だが、ビーンズショップはほかにもいろんな場所にある。コーヒー初心者なら実際に店舗まで足を運んで、バリスタに相談しながらファースト豆を選ぶのも楽しそう。この秋、本格的なコーヒーデビューをしてみてはいかが?