住まいの雑学
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末吉 陽子(やじろべえ)
2015年12月21日 (月)

天井裏からゴソゴソ……ハクビシンかも!? 駆除方法は?

天井裏からゴゾゴゾ……ハクビシンかも!? 駆除方法は?
出典:日本ペストコントロール協会
ネコ目ジャコウネコ科に属する動物「ハクビシン」。かつては人目につかない山林などでひっそりと暮らしていたこの動物が、近年えさを求めて市街地や住宅街に出没するようになり、住宅に侵入するケースが増えているようです。東京都のハクビシンに関する相談件数は2014年は444件で、2009年の203件から倍増(出典:東京都ペストコントロール協会)。もしハクビシンが家のなかに侵入したら、どのような被害があるのでしょう?

ハクビシンの被害は「騒音」「糞尿」「ダニ」

首都圏を中心に、ハクビシンなどの害獣駆除を専門に行っている株式会社NEOの木村雅也さんに話を聞きました。

「家のなかにすみついたハクビシンが人間に与える一番の被害は、騒音です。ハクビシンはおもに天井裏にすみ着きますが、体長50cmから60cmくらいの大きさなので、バタバタとした足音が響きます。しかも夜行性なので、人間が寝る時間にうるさくなりますね。また、子どものハクビシンの場合、高い声でピーピー鳴くのでうるさいと思います。

あとは、糞尿被害です。一回でコップ一杯分くらいの排尿をするので、天井に大きなシミができ始めます。なかには、部屋のなかにポタポタと垂れてくるケースもあります。さらに、糞尿が原因となり、ダニが発生するという被害も無視できませんね。ハクビシンが入り込んだ住宅は、とにかく不衛生な状態になるといえます」(木村さん、以下同)

ちなみに、ハクビシンに狙われやすいのは、食べ物や生ゴミなどを無造作に置きっぱなしにしていたり、ペットフードを長時間放置したままなどの家のようです。

ハクビシンを駆除するまでの流れとは

ハクビシンが出没する住宅は一戸建てが圧倒的に多いそうですが、マンションやアパートでも2階から3階の天井裏まで登る可能性も十分にあるとのこと。ハクビシンはどこから住宅に侵入してくるのでしょうか?

「ハクビシンは細長いので、家のなかに続くソフトボールくらいの大きさの穴があれば、入り込むことができます。具体的には通気口や、屋根のちょっとした隙間から侵入するケースが多いです」

【画像1】軒裏に忍び込んだハクビシン(出典:日本ペストコントロール協会)

【画像1】軒裏に忍び込んだハクビシン(出典:日本ペストコントロール協会)

では万が一、住宅に侵入されてしまったら、どのように退治すればいいのでしょう……。

「市販されている忌避剤の効果は一瞬で、ほぼないので捕まえるか追い出すかしかありません。そのため、屋根裏に人が潜り込んで、追い出すことも多いです。家の構造が複雑な場合はワナを仕掛けることもあります。檻カゴを使ったワナでの捕獲が一般的ですが、仕掛けたあとすぐに捕まる場合もあれば、なかなか捕まえられない場合があり、対応期間はハクビシンの個体差によって異なります。

追い出すことや、捕まえることができても、監視カメラなどを1週間ほど設置し、本当に追い出しが完了したか確認しています。追い出せたことが確認できたら侵入口を塞ぎます」

一連の作業に掛かる費用は家の広さなどにもよって異なりますが、平均すると捕獲だけでも最低10万~15万円程度掛かるとのこと。天井の騒音や尿のしみなどの兆候があるようなら、一度リサーチだけでもお願いしたいかも?

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