首都圏を中心に、ハクビシンなどの害獣駆除を専門に行っている株式会社NEOの木村雅也さんに話を聞きました。
「家のなかにすみついたハクビシンが人間に与える一番の被害は、騒音です。ハクビシンはおもに天井裏にすみ着きますが、体長50cmから60cmくらいの大きさなので、バタバタとした足音が響きます。しかも夜行性なので、人間が寝る時間にうるさくなりますね。また、子どものハクビシンの場合、高い声でピーピー鳴くのでうるさいと思います。
あとは、糞尿被害です。一回でコップ一杯分くらいの排尿をするので、天井に大きなシミができ始めます。なかには、部屋のなかにポタポタと垂れてくるケースもあります。さらに、糞尿が原因となり、ダニが発生するという被害も無視できませんね。ハクビシンが入り込んだ住宅は、とにかく不衛生な状態になるといえます」(木村さん、以下同)
ちなみに、ハクビシンに狙われやすいのは、食べ物や生ゴミなどを無造作に置きっぱなしにしていたり、ペットフードを長時間放置したままなどの家のようです。
ハクビシンが出没する住宅は一戸建てが圧倒的に多いそうですが、マンションやアパートでも2階から3階の天井裏まで登る可能性も十分にあるとのこと。ハクビシンはどこから住宅に侵入してくるのでしょうか?
「ハクビシンは細長いので、家のなかに続くソフトボールくらいの大きさの穴があれば、入り込むことができます。具体的には通気口や、屋根のちょっとした隙間から侵入するケースが多いです」
では万が一、住宅に侵入されてしまったら、どのように退治すればいいのでしょう……。
「市販されている忌避剤の効果は一瞬で、ほぼないので捕まえるか追い出すかしかありません。そのため、屋根裏に人が潜り込んで、追い出すことも多いです。家の構造が複雑な場合はワナを仕掛けることもあります。檻カゴを使ったワナでの捕獲が一般的ですが、仕掛けたあとすぐに捕まる場合もあれば、なかなか捕まえられない場合があり、対応期間はハクビシンの個体差によって異なります。
追い出すことや、捕まえることができても、監視カメラなどを1週間ほど設置し、本当に追い出しが完了したか確認しています。追い出せたことが確認できたら侵入口を塞ぎます」
一連の作業に掛かる費用は家の広さなどにもよって異なりますが、平均すると捕獲だけでも最低10万~15万円程度掛かるとのこと。天井の騒音や尿のしみなどの兆候があるようなら、一度リサーチだけでもお願いしたいかも?