「総人口1億5000万人」
「経済成長率は毎年4.5%。GDPは中国の2倍近い規模となり、アメリカに近づきつつある」
「IT分野やロボット関連技術、航空技術でも世界を引き離し、リードする存在になる」
そんな「2050年の日本」を予測した本が、アメリカで話題になっている。
今の状況を考えると非現実的に思える日本の将来像を描いたのは、『JAPAN RESTORED(日本復興)』だ。著者は、米シンクタンク・経済戦略研究所所長のクライド・プレストウィッツ氏である。
同氏と交流のある産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏はこう解説する。
「プレストウィッツ氏は、1980年代のレーガン政権で商務長官顧問として、自動車などの日米貿易摩擦の交渉の最前線に立った人物で、その辣腕ぶりから『タフネゴシエーター』と呼ばれました。
また、日本は表向き自由な市場経済を標榜しながら、現実には官民が組んで閉鎖的であるとして、日本異質論をとなえ、日本を批判してきた人物でもあります。そのプレストウィッツ氏が“日本は強くなる”と書いたこともあって、注目を集めています」
ジャパン・バッシングの急先鋒が、ここに来て日本の“応援団”になったのだろうか。
その内容は興味深い。
人口について触れた部分では、中国が高齢化により停滞する一方で、2050年の日本は出生率が2.3(現在は1.42)に大きく上昇し、労働力人口が増え、経済成長に寄与すると指摘されている。その背景には「女性が働きながら子育てできる環境が充実する」ことがあるといい、出生率が高いことで知られるフランスやスウェーデン並みに上がることが想定されると記されている。出生率2.3は、第2次ベビーブームに匹敵する数字だ。