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連載今週の住活トピック
やまくみさん正方形
山本 久美子
2013年4月3日 (水)

リフォームで支援制度の利用をしたいが多数。消費税による減税拡充も決定

写真: iStockphoto / thinkstock
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【今週の住活トピック】
第8回「インターネットによる住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査」を公表/住宅リフォーム推進協議会

http://www.j-reform.com/publish/pdf_h23/internet-H23-hyoushi.pdf

住宅リフォーム推進協議会の「インターネットによる住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する第8回調査報告書」によると、「リフォームをしたい人」は全体の 6 割以上で、支援制度の利用意向も強いという結果が出た。折しも、今後の税制改正関連法が国会で成立した。リフォームで利用できる支援制度のなかでも、拡充が予定されている減税を中心に詳しく見ていくことにしよう。

■リフォームする際には、支援制度の利用をしたいが多数

調査は、持ち家に居住する30歳以上の全国の男女を対象とする「予備調査」(回答10000件)と予備調査でリフォームをしたいと回答した需要層を対象とする「本調査」(回答1000件)の2段階で、2012年12月6日から13日の間にWEB形式のアンケート調査を行ったもの。

予備調査では、全体の6割以上がリフォームしたいと回答(半年以内3.2%、~1年以内4.4%、~2年以内3.6%、~3年以内3.7%、~5年以内3.9%、~10年以内2.3%、時期は分からないがいずれしたい40.2%)した。

リフォームする際に利用してみたい制度としては、「税金の控除・減税」、「助成制度」、「住宅エコポイント制度」が上位に挙がった。特に、10 年以内にリフォームをしたい層では、いずれの制度も利用意向が高い傾向にある。

利用したい支援制度  リフォーム意向別(複数回答)

出典:インターネットによる住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する第8回調査報告書

リフォームの予算は、一戸建てが平均312万円、マンションが平均238万円で、一戸建てのほうが予算規模は大きくなっている。リフォーム資金の調達方法(複数回答)としては、自己資金が72.2%を占め、民間金融機関からの借り入れが18.4%、公的機関からの借り入れが6.3%と続く。リフォームの予算別に見ると、特に300万円以上のリフォームで借り入れの割合が高くなる傾向にあった。

■リフォーム費用における支援制度には、どんなものがある?

リフォームに関する費用面で支援する制度に、どんなものがあるか見ていこう。

まず、「住宅ローン減税」が挙げられる。購入や建築に限らず、リフォームの場合でも利用できる。居住している住宅のリフォームで、工事費用が100万円を超え、返済期間が10年以上のローンを利用することなどが主な条件。年末のローン残高の1%を、10年間にわたって所得税などから控除される。

また、一定の耐震、省エネ、バリアフリーリフォームを行った場合は、それぞれ別の減税制度が利用できる。

まず、ローンを利用する場合を見ていこう。一定の省エネやバリアフリーのリフォームをした場合に、年末のローン残高の一定割合を5年間にわたって、所得税から控除できる制度がある。対象となるローン残高は1000万円までで、控除率については、省エネやバリアフリーリフォーム工事費用(限度額あり)は2%、それ以外のリフォーム工事費用は1%となる。なお、住宅ローン減税の対象にもなるため、この減税制度と住宅ローン減税とのどちらかを選択することになる。

次に、ローンを利用しない場合を見ていこう。こちらは一定の耐震、省エネ、バリアフリーのリフォームを行った場合に、工事費用(または標準的な費用とされる額)の10%相当額を、その年の所得税から控除できる制度。

このほかにも、一定の耐震、省エネ、バリアフリーのリフォームを行った場合は、固定資産税が減額される制度も利用できる(2015年まで)。

こうした減税とは別に、工事費用の一部を補助する「助成制度」を利用できる場合がある。例えば、介護保険によるバリアフリーリフォームの助成制度のほか、地方自治体でもそれぞれの助成制度を設けている。特に、旧耐震基準の住宅の耐震リフォームなどで多くの自治体が助成制度を設けているほか、省エネ設備の設置に関する助成制度なども多い。

いずれの制度も利用できる条件や申請方法が定められているうえ、併用できない場合もあるので、事前に自治体やリフォーム事業者などに確認しておくことをお勧めしたい。

■消費税が引き上げられた場合は、減税幅が拡大する

実は、紹介したリフォームに関する所得税の減税制度については、消費税率が引き上げられた場合に、拡充されることが決まっている。

3月29日に国会で2013年度の税制改正関連法が成立し、「住宅ローン減税」が消費税率引き上げに伴い、拡充されることが決まった。それと同時に、リフォームに関する2つの減税制度についても同様に拡充措置が取られることになった。その主な内容は、現行の制度を平成29年まで延長すること、消費税率が8%または10%が適用された場合に限り、最大控除額を以下のように拡充することだ。

【図2】消費税率が上がった場合の拡充策

suumoジャーナル

→ 筆者の記事「2013年度「税制改正大綱」決定。今後の住宅税制と購入環境への影響は?」も参照ください。

●まとめ
なお、「住宅エコポイント」の受け付けは、東日本大震災の被災地を除き終了しているが、新たに2013年4月からは、林野庁の「木材利用ポイント」が開始されることになった。

また、利用できる助成制度としては、太陽光発電普及拡大センターによる「太陽光発電」導入支援補助金(平成25年度は4月17日から申し込み開始予定)、環境共創イニシアチブによる「定置用リチウムイオン蓄電池」や「HEMS」の導入促進助成などもある。

このように、リフォームをする際の支援制度としては、利用できる有利なものが複数あるため、、事前に減税や助成制度の有無、その適用条件、申請方法などを調べておき、利用しようとするものは確実に適用されるように工事内容を検討するとよいだろう。

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