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パッキャオに1RでKO負けした日本人 負けると思ってなかった

 5階級制覇王者にして47戦47勝のフロイド・メイウェザー(38・米国)と、史上2人目の6階級制覇王者マニー・パッキャオ(36・フィリピン。戦績・64戦57勝5敗2分)のドリームマッチが、いよいよ5月2日に実現する。

 今でこそ世界的スーパースターとなったパッキャオだが、実はスターへの階段を駆け上がっていた頃に日本のリングに一度だけ上がっている。そこで対戦したのが元日本フライ級2位の寺尾新氏だ。

 当時パッキャオは母国・フィリピンよりもファイトマネーの高い日本での試合を希望していた。上位選手が断わるなかで、寺尾氏に対戦オファーが舞い込んできた。

「負けるなんてこれっぽっちも考えなかった。むしろ、勝てば世界ランクが視野に入る“おいしい試合”だと思いました。強い相手と試合したかったので、やる気満々でオファーに応じました」(寺尾氏)

 試合前日の計量でパッキャオと初対面。減量苦のためか、そろりと秤に乗るパッキャオの印象は「インチキなマジシャンみたいでオーラを感じなかった」という。

 ゴングが鳴ってからも、最初の1分間は寺尾氏が優勢だった。

「試合前半は足を使って動き回ったり、頭を振ったりして相手のパンチをかわして疲れさせ、後半に勝負に出る作戦でした。最初のパンチを当てたのは僕でしたし、パッキャオも少し焦っている感じでした。これはいけると思いました」(寺尾氏)

 しかし、開始1分34秒、パッキャオの強烈な左ストレートが寺尾氏の額に炸裂した。ファイター型の寺尾氏にとって、本来なら相手のパンチを額で受けて左フックなどで反撃するのは得意のパターンだった。しかし──。

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