住まいの雑学
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2013年11月12日 (火)

アレルゲンがないのにアレルギー? 寒暖差アレルギーの謎と対策

最近よく耳にする寒暖差アレルギー。ほんとうにアレルギーなのか、耳鼻科の先生に聞いてみました(写真: iStock / thinkstock)
写真: iStock / thinkstock

11月11日、気象庁は東京で木枯らし1号が吹いたと発表した。昨年よりも7日早いとのこと。たしかにここ数日は急に気温が下がり朝晩はひんやりしている。しかし思い出してみるとちょうど1ヶ月前の10月11日は最高気温が30度を超え「観測史上最も遅い真夏日」とニュースになっていたはず。

こう気温の変化が大きいと、まわりでも体調不良を来す人が続出。筆者もくしゃみが出たので、風邪かな?と思ったが、どうやら体調はそれほど悪くない。もしやこれは、最近よく耳にする「寒暖差アレルギー」では?

さっそく調べてみると、日々の気温差が激しい季節に現れる花粉症のような症状のことを、そう呼ぶらしい。寒い日と暖かい日が入り交じる昨今、熱はないのにくしゃみが止まらなかったり、鼻が通らず鼻水が止まらなかったり、といった症状に悩まされている人も多いのでは?そこでこの寒暖差アレルギーというものについて、専門家の見解をうかがってみた。

取材に応じてくださったのは、東京都目白にある「たなか耳鼻咽喉科」の田中伸明院長。日本耳鼻咽喉科学会にも所属していらっしゃる、アレルギー性鼻炎などのエキスパートである。

そもそも寒暖差アレルギーとは?

「寒暖差アレルギーというのは俗称なんです。医学的には血管運動性鼻炎といい、アレルギーの症状は現れるのに、その原因となるアレルゲンが見つからない状態のことです」

寒暖差アレルギーという名前は、症状が似ているからそう呼ばれているだけで、アレルギーの病気ではないらしい。アレルギーではないなら、どういった人にその症状が出るのか。

「医学的に、はっきりしていないといいますか、血管運動性鼻炎の原因はまちまちです。症状名の通り、気候の変化も原因になりますし、たばこやお酒、精神的なストレスも症状を引き起こします。それらの外的要因で、自律神経のバランスが崩れて起こるわけです」

原因が不明とは厄介だ。では、対処の方法や予防法は?

「まずは、アレルギー症状がアレルゲンによるものなのか、そうではないのかを検査するべきですね。それによって対策は異なるわけですから。その上で、粘膜は一般的に乾燥に弱いですから、マスクや加湿器を使って鼻の粘膜を乾燥させないようにすることが大切です。また症状を抑えるだけなら抗ヒスタミン剤を処方するという手もあります」

薬で症状を抑えられるならありがたい。薬に頼るばかりなのも不安だが、もし鼻水が止まらないようなら、検査を受けてみる価値が大きい。また、マスクと加湿器を使いつつ、厚着のしすぎに気を付けるのも効果がありそうだ。これから本格化する冬に向けて、頭の隅で覚えておきたい。

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