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2014年1月5日 (日)

雪にもっと親しもう! 横手市の「雪となかよく暮らす条例」に学ぶ

毎年2月15、16日に開催される小正月行事『かまくら』(提供:横手市)
画像提供:横手市

冬も本番。これからの時期の日本海側ではたくさんの雪が降るため、除雪作業に追われる日々が続く。特に、高齢化・過疎化が進行している地域では、雪下ろしや雪かきなどの重労働に従事することが難しくなるなど、多量の雪に悩まされている自治体も多くなっている。

そんな豪雪地帯のひとつ、秋田県横手市には「雪となかよく暮らす条例」がある。悩みの種となりがちな雪と仲良く…とは、どういうことなのだろうか。条例を制定した理由を、横手市役所経営企画課の田中弓子さんに伺った。

「この条例は、豪雪地帯に住まう市民の意識を変えるために生まれました。多量の雪は、人の生活を煩わせる存在である一方、貴重な水資源、文化を育む源です。そこで、市民にもっと雪に親しんでもらいたいと、平成13年に旧横手市で制定されました」

制定理由は、雪と市民の距離を近づけるためだったそう。では、具体的に条例に基づいて行っていることはあるだろうか。

「市では、『利雪・親雪・克雪』をキーワードにした取り組みを進めています。溜めた雪を利用した雪冷房システムを市民交流施設に整備したり、『雪と親しむ日』を設け、かんじきを履いて雪道を皆で歩く『かんじきウォーキング』を行ったりしています。高齢者に対する雪下ろし支援事業など、雪の克服にも力を入れています」

単純に雪と親しむだけではなく、雪を利用して暮らす方法を模索し、雪の害を軽減する支援を行うなど、雪とともに暮らすための取り組みが多方面から行われていることが分かった。その中でも、市民から好評な取り組みを教えていただいた。

「『かんじきウォーキング』は、募集定員以上の参加応募があり定着してきています。また『地域と除雪オペレーターとの意見交換会』は、降雪前に意見交換を行うことで相互理解が深まり、除雪の満足度向上につながっていると考えています」

市民にも浸透しつつある「雪となかよく暮らす条例」。最後に、観光客におすすめできる雪と親しめるイベントを教えてもらった。

「毎年2月15、16日に開催される小正月行事『かまくら』は面白いですよ。かまくらの中で、地元の子どもたちが皆さまを甘酒・お餅でおもてなしいたします」

ふんわりと温かな光が漏れるかまくらの中で、雪景色を眺めながらひと時を過ごせるとは…。なんともオツなイベントだ。横手市に訪れた際はぜひとも参加してみてはいかがだろうか。

■横手市役所ホームページ「雪となかよく暮らす・冬のイベントカレンダー」
http://www.city.yokote.lg.jp/keiei/page000058.html
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