15年の時を経て『俺屍』の続編が登場!

 東京ゲームショウ2013のソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアブースで、プレイステーション Vita用ソフト『俺の屍を越えてゆけ 2』(以下、『俺屍2』)を実機でプレイしながら開発者がコメントする“一遊入魂”イベントが9月22日に開催された。本作は1999年に発売されたプレイステーション用ソフト『俺の屍を越えてゆけ』の続編。前作から15年の時を経て、2014年夏に発売が予定されているRPGだ。イベントが始まると、まず会場の大型スクリーンにゲームトレーラーが流された。

 トレーラーでも触れられているように、『俺屍2』は呪われた一族が呪いを断つために代々戦い続けるという物語が展開する。とくに大きな特徴は、一族の者が“短命の呪い”により2年しか生きられない点と、“種絶の呪い”により人間とのあいだに子を成せないため、交神の儀を行って神とのあいだに子どもを作って血を残す点だ。『俺屍2』でも基本的なコンセプトは前作の遺伝子を受け継いでいるが、続編に期待される新要素が数多く盛り込まれるという。

案内役“コーちん”の声優は福圓美里さんに決定

『俺の屍を越えてゆけ 2』“一遊入魂”ステージで桝田省治氏が最新情報を発表!【TGS 2013】_01
▲『俺屍』シリーズの生みの親である桝田省治氏。

 映像が終わると、特設ステージに『俺屍』シリーズの生みの親であるゲームデザイナー・桝田省治氏が登場。冒頭に流されたトレーラーについて聞かれると、「(情報としては)まだまだ半分くらい」だという。続いて、初代『俺屍』の映像が背後のスクリーンに流されると、桝田氏の口から思わず「おお、懐かしいですね」との言葉が。しかしMCから「何か思い起こされることは?」と話を振られると、「いや、とくにないです」と、早くも桝田氏らしい受け答えが見られた。これなら、新作の“桝田節”も相当に期待できそう!?

 つぎに、桝田氏いわく“サプライズゲスト”として、PS Vitaを手にした七天斎八起様……のコスプレをした、永嶋先輩が登壇。ハリウッドの特殊メイクかと思わせるほどのハマりっぷりで、会場を沸かせた。ちなみに八起様は『俺屍』に登場した神様で、ダルマのルーツである達磨大師にそっくりな風貌を持つキャラクターだ。さっそく、八起様がゲームプレイを始めると、案内役のキャラクター・コーちんの姿がスクリーンに映し出された。同時に、会場のスピーカーから「何をしていいか迷ったら、コーちんの助言をどーぞ」と、画面と同じセリフをしゃべる愛らしい声が! するとここでMCから、コーちん役を声優の福圓美里さんが担当することが発表され、ご本人がステージに姿を現わした。本作のキャストはまだひとりも発表されておらず、コーちん役の福圓さんが初めて正式発表されたキャストとなる。なお、声の収録はまだ行われておらず、福圓さんはこの日に初めて見たコーちんの声を、ぶっつけ本番で当てたとのことだった。ある意味、レアボイス!

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▲最初に登場し、プレイヤーを務めた八起様こと、永嶋先輩。
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▲福圓美里さんが登場。「こっちが本物のサプライズゲストです」と桝田氏。

キャラクターの職業は複数選ぶことが可能に

 ここでゲームプレイに戻り、初代当主作成画面がスクリーンに表示された。当主の顔は、事前に福圓さんの顔を撮影して作成されたとのこと。プレイヤーの顔をもとに、キャラクターを作れるようだ。つづいて職業選択の場面へ。今作では、前作と違って8種類の職業のうち3つを選べるようになっている。そのため、職業をひとつしか選べなかった前作と比べ、バトルの自由度が上がっているとのことだった。

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▲PS Vitaのカメラで顔写真を撮影し、そのデータをもとにキャラクターの外見を作成。

【職業】
剣士…… 前列で、敵前列一体を斬り捨てる。重防具を装備でき、攻守の要となる。武士と名乗るなら「一家にひとり」が美学。
弓使い…… どこからでも、前後列に関係なく敵一体を射る。攻撃力は剣士に次ぐ。中防具まで装備可能。
薙刀士…… 前列で、敵前列を一気に薙ぎはらう。後列からも、敵前列一体を攻撃可。大防具を装備でき、使い勝手よろし。
壊し屋…… 前列で、敵前列一体に必殺の一打。攻撃力と空振り率は、全職業で最高。重防具を装備できるが、術にやや弱し。
大筒士…… 攻撃力が高い単発砲と、攻撃範囲が広い散弾砲を自在に使い分ける。軽防具しか装備できないのが難。
槍使い…… 前列では、敵前列一体とその後ろを貫く。後列からも、敵前列一体を攻撃可。大防具を装備でき、使い勝手よろし。
拳法家…… 前列では、連撃が再三さく裂する。一列とばしの飛び蹴りも強力。装備は中防具までだが、回避率が高し。
踊り屋…… どこからでも、敵一列に攻撃できるが、攻撃力は全職業で最低。術に長じる。軽防具しか装備できないのが難。

シリーズの特徴的なシステムは本作でも健在

 戦闘の始まりかたは、マップ上にいる敵キャラクターと接触すると戦いに突入するシンボルエンカウント方式。戦闘が始まると戦利品スロットが回り、勝利後に獲得できるアイテムが決まる。また、敵は基本的にグループで登場するが、大将格の敵を倒せばほかに敵が残っていても勝利できる。ボス戦では、術の“併せ”(重ねがけ)により、威力を大幅にアップさせて敵に大ダメージを与えていく様子を披露。トドメは、キャラクターの寿命を削ってくり出す“奥義”で決着がついた。

『俺の屍を越えてゆけ 2』“一遊入魂”ステージで桝田省治氏が最新情報を発表!【TGS 2013】_07
『俺の屍を越えてゆけ 2』“一遊入魂”ステージで桝田省治氏が最新情報を発表!【TGS 2013】_08
▲マップもキャラクターも3Dグラフィックになっている。
▲術や奥義の演出も派手になっている印象。

 続いて、当主と神を交配させて子供を作る交神の儀も紹介された。桝田氏から好きなタイプを選ぶように勧められた福圓さんが、「この方がいいです!」と指名したのは“餅乃花大吉(もちのはなだいきち)”。真っ白な鏡餅と、力士がミックスされたような姿の神様だ。どのような子どもが生まれるのか、自分で選んだはずの福圓さんが若干ハラハラとした様子で見守るなか、会場の期待を裏切り(?)、綺麗な顔立ちの子どもが誕生。福圓さんも思わず「はぁ、よかった~」と安堵する結末となった。

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▲戦闘で得た“奉納点”を使って、神様と交神の儀を行なう。

 最後に、『俺屍』ファンへのメッセージとして、福圓さんは「今回から『俺屍』メンバーになることができて、とてもうれしく思っています。わたしが学生のときに大爆発的にヒットした作品の続編ということで、皆さんの期待も高まっていると思います。桝田さんがしっかりとよいものを作ってくれるので、楽しみにしてください。コーちんのボイスも楽しみにしてください」とコメント。桝田氏は「TGSで試遊してくださった皆さんの意見を、来年早々に出るバージョンで反映させて、もう一度お見せできると思います。はっきり言って、今回出展したバージョンは“前作の絵がきれいになっただけのやつ”という印象があると思いますけど、そんなものを僕が作るわけがないので、続報に期待してください」と力強い言葉で締めくくった。今後、さらなる大きな動きで、発売を心待ちにするファンを驚かせてくれそうだ。
(取材・文・ライター/ムライサトシ)