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2012年10月11日 (木)

安心安全な街とは? 着目すべきは犯罪発生率と地域の防災対策

安心安全な街とは? 着目すべきは犯罪発生率と地域の防災対策
Photo: iStockphoto / thinkstock

10月11日は「安全・安心なまちづくりの日」。犯罪に強い社会を実現するために、2006年から実施している記念日で、政府や自治体がさまざまな取り組みを実施している。

総務省が2011年に公表したデータによると、全国で最も犯罪の少ない都道府県は島根県(5802件)。鳥取県(6005件)と秋田県(6134件)がそれぞれ2位、3位に名を連ねた。一方、ワースト1位は東京都(212152件)。続いて大阪府(20万1816件)、愛知県(14万4694件)が続く。また、人口千人当たりの犯罪数では秋田県(5.54件)が最も少なく、山形県(6.67件)、岩手県(6.74件)が続くかたちとなった。ちなみに、こちらのワースト1位は大阪府(22.92件)だった。

しかし、こうしたデータだけで街の安心安全を計るのは安易だと、All Aboutで「住みやすい街選び」というコーナーを担当する中川寛子さんは話す。

「同じ街のなかでも繁華街・歓楽街と住宅街では、起こる犯罪の種類、発生率は異なります。それを考慮したうえで安心安全を計るべきでしょう」

確かに繁華街のほうが人も多く、事件が発生する確率も高い。何を基準に安心安全を考えるかも重要な要素のひとつなのだ。
さらに最近では、こうした犯罪の発生率などに加え、防災対策も考慮に入れるべきだという。

「東日本大震災以来、防災対策が整っているかも安心安全に暮らすための要素になっています。埋め立て地であれば基礎がしっかりしているか、液状化対策ができているか。高台であれば造成方法や土砂崩対策がきちんとされているかなど、その土地の特性に合わせた対策を行政がきちんと行っているかも見るべきポイントですね」

例えば、東京都の中央区や墨田区は高層住宅が多いため、専用の対策マニュアルを行政が設けている。その他にも地図情報をWebに公開し、防災情報を確認できるようにしている街も多い。特に優れたシステムを持っているのが神奈川県横浜市だ。30年前の地図と比較することなどもできるため、埋め立て地の情報などをすぐに把握できるのだ。

こうした行政の対策に加え、地元住民が中心になって安心安全のための取り組みを行っているところもある。何を基準に考えるかによって、安心安全の尺度は変わる。優先順位をつけ、自分にとって安心安全な街を探してみると良いだろう。

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