国内

全日本年金者組合委員長「年金受給平均額では生活できない」

 安倍晋三首相は来年4月から消費税率を8%に引き上げ、増税さえすれば国民に安心・幸福の社会保障が待っているかのように語って見せた。

「社会保障のための増税」がウソであることを示すのは、この10月分から年金の大幅カットが始まることだ。年金受給額は今年10月に1%、来年4月にさらに1%、消費税が再値上げされる2015年には0.5%引き下げられ、2年間で2.5%カットされる。夫婦2人の平均モデルで年間7万800円もの減額になる。

「社会保障のため」と国民に増税や保険料アップを強いながら、増税実施前に社会保障の柱である年金を引き下げておくという手法だ。

 安倍氏が官房長官や自民党幹事長という要職にあった小泉政権時代、国民に「これで年金は100年安心」だと年金を大改悪し、保険料アップと年金カットを押しつけたときとそっくりな“安心詐欺”である。

 国民はそれを見抜いている。政府の仕打ちに思いあまった高齢者たちがついに反乱を起こした。10万人以上の年金受給者が国に年金減額の取り消しを求める行政不服審査請求申し立てに動き出した。

「全日本年金者組合」の冨田浩康・委員長が語る。

「年金の平均受給額は厚生年金が月額約15万2000円、国民年金は約5万2000円で、アルバイトをしなければ生活できません。安倍政権は物価上昇を目標にしているのに、年金をどんどん下げるという。消費税の負担も重くなるし、これでは年金生活者はいよいよ生活できなくなる。11万人の組合員をはじめ、全国の年金受給者に最寄りの社会保険事務所に不服申し立てをするよう呼びかけていく」

※週刊ポスト2013年10月18日号

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