住まいの雑学
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榎並 紀行(やじろべえ)
2012年9月10日 (月)

キモイなんて偏見だ! お利口でカワイイ「爬虫類系ペット」を探してみた

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一人暮らしの寂しさを埋めてくれるペット。しかしいざ世話をするとなると、ただ愛でるだけでは済まない苦労、例えば「騒音、ニオイ、脱走などに悩まされる」「壁やフローリングを引っかく」「ところ構わず粗相する」「旅行にもろくに出かけられない」などなど負の側面もチラホラ。生き物を飼ったことのない初心者がいきなり世話の難しいデリケートなペットに手を出してしまうと、たとえ十分な覚悟があったとしても、徐々に愛情がストレスに変わってしまうこともある。そこで今回は、一人暮らし&初心者にオススメの「飼いやすいペット」を探してみた。

「飼いやすい」≒「いい加減に世話してOK」ではない

と、本題に入る前に、まずは本記事における「飼いやすさ」の定義を明確にしておこう。

●エサが手に入りやすい
●比較的、省スペースで飼える
●鳴かない、部屋を汚さない、ニオイが少ない
●体が丈夫で長生きしてくれる
●仕事で日中家を空けてもお利口にお留守番してくれる

「飼いやすいペット」≒「いい加減な世話をしても大丈夫」ということではなく、過度な世話を必要とせず、一人暮らしで忙しい日々を送る人でもストレスなく飼えるという観点でピックアップしていきたい。

しかし、上記の条件で探してみるとこれが意外と数少ない。犬や猫は鳴くからダメ、ウサギは寂しいと死んでしまうらしい。そうなると「鳴かない」「部屋が汚れない」「ニオイが少ない」の三拍子がそろう「爬虫類」が有力になってくる。

爬虫類マニアも太鼓判を押す「ヒョウモントカゲモドキ」

なかでもオススメなのはヤモリの一種である「ヒョウモントカゲモドキ」。1匹3000円くらいから手に入り、飼育コストも安い。エサはコオロギなどで3日に1回ほど与えればよく、寿命は10~15年程度と長い。以前、とある高名な爬虫類マニアに取材したときも、初心者向けとして太鼓判を押された、いわば「入門用爬虫類」である。

※ここで「え~ヤモリなんてキモイ!」と思ったみなさん、ぜひ一度、お近くの爬虫類ペット専門店に足を運んでみてください。個人的主観かもしれませんが、実物のヒョウモントカゲモドキはかなりキュート。つぶらな瞳と小さな体、ヨチヨチ歩きに思わずキュンキュンしてしまうことでしょう。

実物は写真以上にカワイイですよ

水槽で飼える小型リクガメ「ロシアリクガメ」

それでもヤモリは生理的にちょっと…という人は「ロシアリクガメ」なんてどうだろう。同じ爬虫類でも、トカゲやヤモリに比べればだいぶ抵抗感はやわらぐのでは? 立派な甲羅に身を包んだ勇ましいビジュアルはオトコ心を刺激し、かと思えば、短い足を使ってヨチヨチ歩く姿が母性本能をくすぐる。
毎年アフガンやカザフスタンなど中央アジア西部から大量に輸入される彼らは日本の気候に適応しやすく体も丈夫。体長は大人でも最大22cmくらいなので大きめの水槽なら十分飼うことができるし、何より人気のカメなのでネット上に飼育情報が充実している点も心強い。大事に育ててあげれば20年以上は生きられるので、一人暮らしの孤独を長きにわたって癒やしてくれることだろう。
ちなみにエサは基本毎日。草食系であるロシアリクガメの好物はメロン、葉物の野菜などで、近所のスーパーで買えるものばかり。専用のエサや飼料もネット通販で手に入るので安心だ。暖かい夏は庭で放し飼いにしておけば、庭の野草を好きに食んですくすく育つ。
ただしその際、除草剤や殺虫剤のかかった野草を食べると死んでしまうこともあるので要注意。また、穴掘りが得意なロシアリクガメには「脱走癖」があるため、庭などで飼う場合には十分注意したいところだ。

脱走癖に要注意

カメレオン界の革命児「エボシカメレオン」

飼育が難しいカメレオンのなかで、入門種といわれるのが「エボシカメレオン」だ。ある程度の過酷な環境に耐えうる丈夫さをもち、その飼いやすさから「革命児」ともいわれる品種である。体長は大人のオスで65cmとややスペースをとるが、雄々しく立派なクレスト(頭頂部のトサカのような部分)と色彩豊かな美しい模様はインテリアとしての魅力も備えているといえそう(※とはいえカメレオンの画像は若干刺激的なため、ここでは自粛します)。ちなみにエサの昆虫は爬虫類系のペットショップやネット通販でも手に入る。ちなみに寿命は5年前後である。
ただし、いくら飼いやすいといっても、ヒョウモントカゲモドキやロシアリクガメに比べれば飼育難度は高い。湿度や光に気を配る必要があり、そのための設備投資もそれなりにかかってくるので、飼い始める前に十分な検討を重ねたいところだ。

今回紹介したのは比較的飼育がしやすい品種とはいえ、実際に飼うとなればやはりそれなりに手間はかかる。また「脱走事件」が度々ニュースになるように、爬虫類系ペットを逃がすとそのアバンギャルドな見た目ゆえ騒ぎも大きくなってしまう。どんなペットであれ、飼うと決めたなら生涯愛情をそそぐ覚悟をもって迎え入れたい。

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