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調査会社ニールセンによるNielsen MusicとBillboardが発表した、アメリカの音楽産業2015年前期(1ー6月)の最新データによれば、アルバム売上枚数前年同期比から4%減少したことが明らかになりました。

2015年の上半期のアルバム売上は1億1610万枚。2014年の上半期1億2090万枚から全体でダウン。この売上枚数はフィジカルとデジタルアルバムの枚数で、トラックおよびストリーミングをアルバム換算した数値は含まれていません。

CDアルバムは5660万枚で、前年比約10%と大幅ダウン。アルバム売上のシェアで49%と過半数を下回りました。

デジタルアルバムの売上枚数は5370万枚で、約1%と微減。こちらはシェアを46%に拡大させています。

アナログレコードのアルバム(LP)は560万枚でシェア5%、前年比38.4%増加と継続してアナログ復活の勢いを維持しています。

Billboardがまとめた2015年前半期最も売れたアルバム1位に輝いたのは、テイラー・スウィフトの「1989」で、132万枚の売上枚数を記録しました(フィジカルとダウンロードの合計枚数)。

■フィジカル・デジタルダウンロード売上トップ10

1. テイラー・スウィフト「1989」 – 1,328,000枚
2. ドレイク「If You’re Reading This It’s Too Late」 – 965,000枚
3. サム・スミス「In the Lonely Hour」- 788,000枚
4. エド・シーラン「X」 – 763,000枚
5. 「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」サウンドトラック – 763,000枚
6. メーガン・トレイナー「Title」 – 727,000枚
7. ケンドリック・ラマー「To Pimp a Butterfly」 – 627,000枚
8. フォール・アウト・ボーイ「American Beauty / American Psycho」 – 478,000枚
9. 「Now 53」コンピレーション – 451,000枚
10. ジョシュ・グローバン「Stages」 – 420,000枚

こちらはストリーミングとトラックダウンロードを合算したアルバム売上合計枚数。ストリーミングの場合、アルバムの楽曲1500ストリーミング再生を1アルバム売上としてカウントします。トラックダウンロードの場合、アルバムの楽曲10ダウンロードを1アルバム売上としてカウントします。

■合算アルバム売上トップ10

1. テイラー・スウィフト「1989」 – 2,011,000ユニット
2. ドレイク「If You’re Reading This It’s Too Late」 – 1,431,000ユニット
3. エド・シーラン「X」- 1,428,000ユニット
4. 「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」サウンドトラック – 1,402,000ユニット
5. サム・スミス「In the Lonely Hour」- 1,296,000ユニット
6. メーガン・トレイナー「Title」 – 1,209,000ユニット
7. 「ワイルド・スピード SKY MISSION」サウンドトラック – 971,000ユニット
8. マルーン5「V」 – 966,000ユニット
9. ニッキー・ミナージュ「The Pinkprint」- 825,000ユニット
10. フォール・アウト・ボーイ「American Beauty / American Psycho」 – 813,000ユニット

テイラーの「1989」はなんとアナログLP売上でもトップに輝きました。

■アナログLP売上トップ10

1. テイラー・スウィフト「1989」 – 34,000枚
2. スフィアン・スティーヴンス「Carrie & Lowell」- 32,000枚
3. アークティック・モンキーズ「AM」- 27,000枚
4. Alabama Shakes「Sound & Color」- 26,000枚
5. マイルス・デイヴィス「Kind of Blue」- 23,000枚
6. サム・スミス「In the Lonely Hour」- 23,000枚
7. ピンク・フロイド「Dark Side of the Moon」- 23,000枚
8. 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」サウンドトラック – 22,000枚
9. Father John Misty「I Love You Honeybear」- 22,000枚
10. Hozier「Hozier」 – 21,000枚

ストリーミング再生は92%アップ

その一方で、YouTubeやVevo、Spotify、Rdioなどストリーミングサービスによるオンデマンドのトラック・ストリーミング再生は、前年の703億再生から92%アップし、1352億再生へ大きく成長しています。

動画のストリーミングサービスでは、前年同期比109%アップの766億再生、音楽ストリーミングサービスは、74%アップの586億再生。

トラックダウンロードもマイナス

デジタル・トラックのダウンロード売上は10.4%マイナスを記録、1億9700万ダウンロードから1億6000万ダウンロードに減少しました。

トラックダウンロード最大の売上はマーク・ロンソンの「Uptown Funk feat. Bruno Mars」で488万ダウンロード。2位はエド・シーランの「THinking Out Loud」で345万ダウンロードでした。

参考までに、2014年アメリカの音楽産業では、アルバム全体では2013年(2億8940万枚)から11%減少し2億5700万枚の売上を記録しています。最大の驚きとなったのは、これまで売上枚数が増加してきたデジタルアルバムは初めてマイナス成長を記録、記録的な一年でした(9%減の1億650万枚)。

2014年で売上トップのアルバムは、売上枚数366万枚で(やはり)テイラー・スウィフトの「1989」が1位を獲得、2位の「アナと雪の女王」サウンドトラックの353万枚を抜いています。

*CDアルバム売上枚数を「5660万枚」に修正しました。

ソース
Taylor Swift’s ‘1989’ and Mark Ronson’s ‘Uptown Funk!’ Top Nielsen’s Mid-Year Charts(Billboard)
image by Nguyễn Thu Nhi via Flickr


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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