「家」をさまざまな産業の交差点と考え、住宅産業だけでなく異業種を巻き込んで才能あるクリエイターたちとコラボレーション展示するイベント[HOUSE VISION 2013 東京展]が開催された。お台場・「青海」駅前の特設会場に“新しい常識で家をつくろう”というビジョンのもと、これからの「家」の可能性を提案したパビリオンが7つ登場。全館を2部にわたってレポートします!
会場の全体構成を担当したのは建築家の隈研吾、「日本の住宅は他の産業同様、戦後これまで邁進してきた工業化社会の惰性のように感じる。今後、過去の延長に無い新たな取り組みによっては世界で戦える産業になりうる」と、展示会の意義を語った。
会場で使われたのは105㎜角の国産杉材(住友林業が調達・施工、終了後は東北復興用に再利用)。シンプルな角材を接合するだけで波打つような曲線をつくりだし、海に面した会場に木の香りを漂わせた。
素材感やシンプルな日本的美意識で五感に訴える空間設計は、さすが、世界で活躍する隈氏のデザインだ。
トステム、INAXなど住宅建材5社の総合ブランドであるLIXILが建築家・伊東豊雄とコラボレーションした“懐かしい未来の家”。
自然を取り込み共存してゆく暮らし方、縁側や土間のある暮らしを取り戻そうという提案。囲炉裏端のような陶器のテーブルが玄関から続く土間にあり、奥には露天風の泡風呂も!
昔の日本にあった、開放的で人が集まりやすい空間と共に自然をいつも感じていられる事が住生活の豊かさなのかもしれない。
住宅産業以外からも、これからの[家]について提案。“自由な移動”を実現することがミッションのHondaが、建築家・藤本壮介と共に住空間における「エネルギーと移動」の循環を表現した。
移動システムや生活に必要なエネルギーは太陽光発電に加えて、ガスのコージェネレーションユニットにより熱を有効利用するのがホンダスマートホームシステム。
建築家・山本理顕らが唱える「地域社会圏主義」を五分の一の模型で表現し展示した「地域社会圏モデル」。異業種企業が集まる「未来生活研究会」と共に、シェアリング・コミュニティの理想、「共有」の豊かさを提案した。
続いて、Part.2記事はこちら→「「新しい常識で家をつくろう」―HOUSE VISION展― Part.2」