住まいの雑学
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佐野 勝大
2013年7月7日 (日)

目指すは素敵なご近所さん。自然でスマートな「エレベーター会話術」

写真: Fuse / thinkstock
写真: Fuse / thinkstock

マンションのエレベーターでご近所さんと遭遇した際、会話が弾まず居心地が悪くなってしまう人もいるだろう。
毎回挨拶だけで終わってしまう気まずさを解消するには、近ごろ話題の「雑談力」が役に立つのでは? というわけで、さりげないけどソツがない「エレベーター会話術」について、東京メンタルヘルスの所長・武藤清栄さんに話を伺った。

挨拶をした後に天気などの身近な話題から入るのが、雑談上手への第一歩

10年ほど前に『雑談力ー誰とでも無理なく話せる』(明日香出版社)を出版するなど、早くから「雑談力」の重要性に着目してきた武藤清栄さんによると、お天気やニュースなどの時事ネタから入るのがオススメだという。

「ありきたりと思うかもしれませんが、定番の話題だからこそどんな相手とも会話がスムーズに進められるのです」(武藤さん)

雑談というのは、どんなことを話題にしても許されるフリートーキングのこと。けれども、まだ関係が深まっていないご近所さんとの雑談では、避けたほうがいい話題もあるという。

「思想、政治、宗教に関する話題や自慢話、学歴、勤め先の社名、収入といった質問は、できるだけ親しくなってからするようにしましょう」(武藤さん)

コミュニケーションの8割は非言語。言葉だけでなくポーズも重要!

高層マンションで暮らす人のなかには、「時事ネタだけでは話がもたない」という人もいるかもしれない。そんなときは、相手の服装や持ち物に言及するといいのだとか。

「人と話すのが苦手なら、『そのネクタイの色、素敵ですね』と投げかけてみるのも有効。あとは相手の言葉をオウム返しにしたり、相づちを打ったりするだけでも会話はじゅうぶん成立します」(武藤さん)

また、勇気を振り絞って話題を振ってみたが、相手が話に乗ってこない。そんなときは、「先日ドアのチャイムが鳴ったときに、息子が帰ってきたと思って『開いてるよ〜』と叫んだら、実は宅配便のお兄さんだったんです」といった、自分のちょっとした失敗談を口にしてみるといいという。

「心理学で『自己開示』というのですが、自分をさらけ出すことで好印象を与えられ、相手との距離を縮めることができるのです」(武藤さん)

せっかく話が盛り上がってきたところで、エレベーターが到着。スムーズに話を切り上げるには、どうすればいいのだろう。

「『それでは!』と言いながら片手を挙げ、会釈してその場を去りましょう。実は人間のコミュニーションの8割は非言語で行われています。ですから、言葉プラス態度で示すことで、話を切り上げやすくなるのです」(武藤さん)

これらのテクニックを使えば、エレベーターでご近所さんと遭遇した際も安心だ。ただ、みんながみんな雑談を楽しみたいと思っているとは限らない。そのあたりの空気をしっかり読んで、心地よいご近所付き合いができるようにしよう。

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