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2013年7月24日 (水)

シングルマザーにとって「住みやすい街・住宅」ってどう探す?

シングルマザーにとって「住みやすい街・住宅」とはどんな住まいだろうか?(写真: iStockphoto / thinkstock)
写真: iStockphoto / thinkstock

満島ひかりがシングルマザー役を演じるドラマ『ウーマン』が話題だ。

現在、全国にシングルマザーは100万人以上。その8割近くは離婚が原因だが、未婚の母や、夫と死別したケースも少なくない。また、厚生労働省が昨年発表した資料によると、シングルマザー世帯の平均収入は291万円程度(生活保護費・児童扶養手当を含む)というデータもあり、彼女たちの多くが低収入にあえいでいるのが現状だ。

そんな彼女たちにとって「住みやすい街・住宅」とはどんな住まいだろうか? シングルマザーを支援するNPO法人Wink理事の新川氏に伺った。

「まず第一に、子育て支援に厚い自治体を探すのが必須です。次に、送り迎えや仕事場への移動の負担を減らすため、保育園や学校が近くにあること、そして駅からのアクセスがいいことなども重要ですね。もしご実家の支援が得られるのであれば、ご実家を遠慮なく頼るのも手だと思います」

家賃を抑えるという意味では、公営住宅(都営住宅や県営住宅)を利用するのもいい。公営住宅の場合、ひとり親世帯は入居にあたり優先権が与えられる。ただ、それでも競争率が高く、なかなか当選しないという課題もある。さらに、自力で住まいを探して賃貸契約を結びたくても、問題が生じる場合がある。

「職に就いていたとしても、シングルマザーというだけで保証人を2名以上つけるようにと言われる場合があります。また、離婚当初、ワンルームや1LDKといったコンパクトな部屋で生活をスタートしたくても、小さな子どもがいるというだけで断られる物件もあります。単身向けの物件の場合は仕方ないかもしれませんが、ひとり親世帯向けの物件数がもっと増えるといいですね」

シングルマザーの住まい探しは、一筋縄ではいかないようだ。ほかにも、最近ではシングルマザーを対象にしたシェアハウスも増えてきた。しかし新川氏は、

「シングルマザーだけのシェアハウスは、あまりお奨めできません。過去に当法人でも運営したことがありますが、同じシングルマザー同士助け合えると思っていたら、意外と足の引っ張りあいになる場合が多かったんです。逆に、さまざまな世代や境遇の人がいる混在型のシェアハウスのほうが、うまくいくかもしれません。いずれにせよ、助けてもらおうという考えでシェアハウスを選ぶと失敗します。シェアハウスこそ、自立した人間同士じゃないとうまくやっていけない生活空間だと思います」

と教えてくれた。

最後に新川氏にこの問題の解決策を聞いてみると「シングルマザー向けの物件情報の充実」と回答をいただいた。シングルマザー支援に理解ある大家さんの格安物件情報などが集まる仕組みがあれば、住まい探しの時間的・精神的負担がぐっと軽減されそうだ。彼女たちの生活を外からサポートするような制度・仕組みづくりが急がれる。

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