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連載今週の住活トピック
やまくみさん正方形
山本 久美子
2013年4月17日 (水)

最大で60万ポイントもらえる「木材利用ポイント」ってどういうもの?

写真: iStockphoto / thinkstock
写真: iStockphoto / thinkstock
【今週の住活トピック】
「木材利用ポイント事業の詳細について」公表/林野庁

http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/130329.html

人気を集めた「住宅エコポイント」の受付は、東日本大震災の被災地域を除き終了(ポイントの申請は一部を除き継続中)している。しかし、2013年4月からは、新たに「木材利用ポイント」が利用できるようになった。その詳細が公表されたので、概要を紹介しよう。

木材利用ポイントとは?

「木材利用ポイント」とは、地域材の需要喚起のために地域材を活用した、木造住宅の新築や内装・外装の木質化工事、木材製品の購入などに対してポイントを発行し、地域の農林水産物などと交換する制度。
地域材を適切に利用することで、森林が整備・保全され、地球温暖化防止や循環型社会の形成に貢献し、農山漁村地域の振興に資するとして、林野庁が支援している事業だ。

木材利用ポイントをもらえるのは、次のような場合。

(1)木造住宅の新築や増築、購入
(2)住宅の床や内壁、外壁の木質化工事
(3)木材製品や木質ペレットストーブなどの購入

このうち、住宅に関係する(1)と(2)について、詳しく見ていこう。

まず、いずれの場合も、平成25年4月1日から平成26年3月31日までに工事に着手するもの(工事請負契約の締結時点)という期限があることを押さえておこう。

次に工法や地域材に条件がある。木造住宅であれば、なんでもよいというわけではない。例えば、工法については、スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツ、アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ、アスナロを主要構造材等として1/2を超えて使用する木造軸組工法(2×4工法または丸太組構法の場合は、スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツを主要構造材とする)などの例示がされている。

また、主要構造材等として1/2を超えて使用する地域材として、「スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツ、アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ、アスナロ」のほかに、都道府県や民間機関、林野庁のガイドライン等により産地等が証明される木材とされている。

そして最も重要なのは、地域材の利用拡大に取り組む「登録工事業者」が施工したものに限定されることだ。登録事業者とは、都道府県の協議会や有識者委員会で認定され、事務局に登録された事業者のこと。しかし、事業者向けの説明会をこれから行うことになっており、具体的に事業者が認定され、公表されるのは、まだ先のことになりそうだ。

発行される木材利用ポイント数は?

住宅エコポイントと同様に、1ポイントが1円相当で、工事内容によってポイント数が異なる。新築や購入などの場合は、1棟当たり30万ポイント、木質化工事の場合は、1万5000ポイント以上で上限は30万ポイントまでとなる。(詳細は、図を参照)

したがって、木造の住宅を新築する場合などでは、主要構造材で地域材を使い、床や内壁、外壁にも地域材を使えば、最大で60万ポイントがもらえることになる。

(1)木造住宅の新築、増築、購入
1棟当たり30万ポイント
※東日本大震災の被災地の場合は最大で50万ポイント

(2)住宅の床や内壁、外壁の木質化工事
木質化工事の行われた床や内壁については、1棟当たりそれぞれ9㎡以上、外壁については、1棟当たり10㎡以上の工事を行うことが条件で、以下のポイントが発行される。ただし、合計の上限は30万ポイントまで

住宅の床や内壁、外壁の木質化工事

【図1】発行ポイント数(林野庁の資料から筆者が作成)

木材利用ポイントの申請方法や交換商品は?

木材利用ポイントの申請方法は、住宅エコポイントの場合と同様に、住宅の購入者や工事発注者が申請書類を窓口に持参するか、郵送する方法で行う。

交換商品は、地域の農林水産品、農山漁村地域における体験型旅行、商品券、森林づくり・木づかい活動に対する寄附、被災地に対する寄付などに交換できるほか、即時交換(木材利用ポイント対象の工事以外の木材を使用した工事の費用に充当)を行うことができる。ただし、商品券や即時交換は、木材利用ポイントの50%までとされている。

住宅におけるポイント制度では、平成23年7月31日までに着工したものを対象とする「住宅エコポイント」と平成23年10月21日~平成24年10月31日までに着工したものを対象とする「復興支援・住宅エコポイント」があった。エコ住宅の新築で1棟当たり30万ポイント(復興支援型は被災地以外の場合15万ポイント)、エコリフォームで上限30万ポイントがもらえる制度だった。

木材利用ポイントも、条件こそ違うが、ほぼ同程度の特典のある制度となっている。ただし、住宅エコポイントは人気が高かったために、復興支援型では、予約制度が導入され、当初予定より早期に受付を終了することになった。詳細の設計が遅れている木材利用ポイントではあるが、エコポイント並みに人気が出るのかどうか、今後の動向に注目したい。

●木材利用ポイントに関する問い合わせ先
木材利用ポイント事務局
HP:http://mokuzai-points.jp
https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/97a3e7d658abcc014cf75ce60ff9c1b1.jpg
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