タシスム

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タシスム(Tachisme または Tachism、フランス語の「tache」染み、から)は、1940年代から1950年代フランス抽象絵画の様式の一つである。評論家のシャルル・エスティエンヌフランス語版1954年、新しい抽象絵画、とりわけジョルジュ・マチュー英語版らのものに投げつけられた「タッシュ(しみ、汚点)のようだ」との批判的言説を逆用してタシスムという言葉を用い、これを理論付けている。

歴史[編集]

スタイルの違いはあるが、ヨーロッパからの反応ということもあり、抽象表現主義と解釈することも可能である[1]

タシスムはアンフォルメルという第二次世界大戦後まもなくのヨーロッパなどにおける、激情の込められた抽象絵画の流れの一部をなしている。タシスムのほかに叙情的抽象フランス語版という用語も使われる。また、ヨーロッパにおける抽象表現主義アクション・ペインティングとみなされることもある。

タシスムはキュビズム[2]などのクールな幾何学的抽象英語版に対する反動であり、無意識的な筆の動かし方、チューブから搾り出したままの絵具の斑点や滴り、書道を思わせる走り書きなどを特徴としていた。

主な作家[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Walker, John (1992). A Glossary of Art, Architecture and Design Since 1945 (3rd ed.). G. K. Hall & Co.. ISBN 9780853656395 
  2. ^ ピカソやブラックらが有名画家だった