インテリア次第で、中古マンションや賃貸住宅だって自分好みの素敵な空間にできる。それを仕事にしているデザイナーの自宅へ伺い、素敵なインテリアのアイデア&プロ技を見せてもらった。
今回、インテリアのアイデアを自宅で披露してくれたのは、名古屋で活躍するインテリア・デザイナーの宮地敦子さん。ご自宅は約15年前に購入した築30年のマンション。この度、入居以来3回目のリフォームが完成したという事で取材に伺った。
まずは、《Salon de thé (サロン・ド・テ)》と名付けられた、キュートな応接室でお話を聞いた。
「ここは、女の子が幸せになるような、女子力アップ部屋!」と、宮地さん。
壁のスモーキーなピンク色はグレーの天井と共に、大人カワイイ色調の空間に仕上がっている。
今回のリフォームで大胆に変身したこの部屋、元は息子さんの男臭い部屋だったとか… お気に入りのチェアーは部屋に合わせて張り地を変えたそう。
「インテリア好きが高じて、椅子の張り地でスーツをつくっちゃいました(笑)」と、椅子と同じ生地のスーツで登場!?(写真撮影:本美安浩)
「皆さんにも自分のおウチが大好きになって欲しいの。家と相思相愛になると、人生が好転するのよ!」と、好きなものに囲まれて過ごす事の効用を説いてくれた。
この部屋の始まりも、「お店で一目惚れした、リヤドロ社の照明。この照明を飾りたくって部屋のデザインを考えたわ」。なるほど、この照明のマットなピンク色が部屋全体の発想の源だったのだ。
右手壁のミラーの真ん中にブラケット照明を設置、この部屋のアイコンになっている。
正面壁には、中世の貴婦人を壁紙プリンターで製作。ドレスの色を、リヤドロ照明の色に合わせて調色したこだわりよう。最近の壁紙プリンターはデジタル化され、創作の幅が広がっている。
部屋毎にデザイン・テーマを変えて見せる、宮地さんの自宅ショールーム。
一番の見せ場は、玄関ドアを開けたとたんに目に飛び込んでくるBlack & Whiteストライプ。今年はボーダー柄ファッションが流行しているが、彼女のストライプ好きは○十年前、10代のころからの筋金入り。
「ストライプ幅の15cmにこだわって、天井から床まで一面をペイントで仕上げました」
一方で下駄箱を取っ払い、天井高までのミラー張りにする事で、狭いマンションの玄関を幅広に。ミラー張りは、視覚的に2倍のゆとりを感じさせるマジック・テクニック!
【画像7】の写真、黒いシャンデリアの向こうにあるストライプの壁。実は引き戸で、和室の入口…低めに吊られたシャンデリアの下をくぐって入る、茶室の躙戸(にじりど)のような趣。
入ると、黄金に輝く和室が!ドレープをきかせた赤いカーテンと和洋折衷なモダン・デザイン。美輪明宏が出てきそうな、正しくパワースポット。
「壁紙を一部変えるだけで、こんなにワクワクするものよ!」と次に案内してくれたのは、廊下側のドア一枚。
「使う度に、ウキウキしちゃって!」と、今回のリフォームで大成功だったとご自慢のトイレ。
築30年マンションのトイレ空間なので狭いままだが、内装を変えただけでパワーがみなぎる特別な場所に変身した。
デザイン・テーマは「西洋人が好む、シノワズリ(中国趣味)」。朱色を効かせた天井・壁デザインが、その雰囲気を醸し出す。
数年前に、リビング・ダイニングはベッドルームとL字型のワンルームにリフォーム。テラコッタ・タイル敷きのアジアンリゾート・スタイル。環境の良い住宅地なので、朝夕と鳥の声が響きリゾート気分で寛げる空間になっている。
ベッドルームもオープンスペースだが、リビングより一段高くすることで空間を緩やかに分けている。
“インテリアで元気になる”を実践する宮地さん。「何かリフレッシュしたい…」と悩む依頼者の方々を、インテリアで幸せにするのが生き甲斐とも。「大きな改装をする必要は無いの。好きな物や色に囲まれて過ごせばうれしくなる、それがおウチをパワースポットにする方法」。
シンプルな白を基調にした内装が主流の日本の住まい、トイレなら思い切って自分色に飾ってみるのも良さそうですね。“運”が舞い込んでくるかも!?