次に引っ越すときは、もっと“収納”しやすい住まいに…と考える人も多いだろう。実際、SUUMOで入居者に「あると便利!気が利いているマンション設備は?」というアンケートを実施したところ、上位を占めたのは、「洗面室」「トイレ」「玄関」「廊下」などの「収納」関連だった。
そんな入居者の声をもとに、マンションの収納アイテムもどんどん開発が進み、今では「かゆいところに手が届く」工夫がいっぱい。アンケートのランキングをもとに最新マンションの収納について取材してきたので、前編である今回は「洗面室」「トイレ」の水まわりについて紹介していこう。
アンケートで1位となったのが『収納量が多い洗面化粧台』。小物がたくさん集まり、片づけにくいといわれる洗面室だったが、「これまで有効活用されず、デッドスペースだった洗面ボウルの前面にポケット型の収納スペースを設けました」と株式会社大京・商品企画部の山岸さん。
「小さなスペースですが、かえって小物を整理しやすいと人気。メガネの仮置きに使われる方もいます」(大京・山岸さん)。ほかにも机の引き出しをイメージした薄型の引き出しを設けるなど、「収納量を確保するだけでなく、“出し入れのしやすさ”にこだわりました」
6位の『体重計収納スペース』にも工夫が。「置き場所が定まらないという声に応えて、洗面台の下にスペースを設けました」と阪急不動産株式会社・お客さま部商品企画担当の松尾さん。「こういうものは後から取り付けられないので、最初からあるといいですね」
2位は『トイレットペーパー12ロールがそのまま入るトイレ収納』。トイレットペーパーは、単価が比較的安い“12ロール”で買う人が多いようだが、買ってきたままの状態でしまえる収納スペースがない!というケースも。結局、押入れやクローゼット、ほかの部屋にしまっている人が多いようだ。
では、12ロール入りを買ってきて、そのまま入れられる収納スペースがあればOKかというと、各社の工夫はそれだけではないようだ。「多くの人は12ロールを使いきる前に、新しい12ロールを買ってきますよね。ですから弊社では、12ロール以上入るロングタイプにしています」と大京の山岸さん。
「特に震災後は買い置きする方が増えているので重宝されています。さらに、便座に座ったままで予備のロールが取り出せる工夫をしたのがポイントです」(大京・山岸さん)。これなら、トイレを使用した後でペーパーがない!というヒヤリ体験も回避できそうだ。
こまごました小物が集まる洗面室にはモノを探しやすい収納スペース、トイレットペーパーなどを大量にストックしたいトイレには大型収納…このように「空間ごとに適した収納スペースがあります」と阪急不動産の松尾さん。
また「家族みんなの生活の“動き”に合わせて、出し入れしやすい場所にあることが大切」と大京の山岸さん。単純に収納スペースが多ければいいというわけではないようだ。
後編では、家の外と中をつなぐ「玄関」、家族みんなが通る「廊下」などでのさまざまな収納の工夫を紹介。マンションを購入する前に知っておきたい最新の収納アイデアを、ぜひチェックしておこう。