2011年7月24日の完全移行まで100日を切った地上波デジタル放送。全国約5000万世帯のうち、94.9%が地デジへの切り替えを完了しているものの(2010年12月末時点、総務省調べ)、残りの5.1%、つまり約250万世帯は未対応だという。
そこで「実は、まだ切り替えていなくて…」という人のため、地デジ移行へのサポートを行っている「デジサポ(テレビ受信者支援センター)」の宇佐美雄司さんに、地デジの基本と現状について話をうかがった。
「地デジ放送を楽しむためには、UHFアンテナとデジタルチューナー内蔵テレビを導入するのが基本です。UHFアンテナは魚の骨のような形をしたアンテナ。首都圏以外の一戸建てならほとんどの世帯で最初から設置されていますが、首都圏の一戸建て世帯には設置されていない可能性もあるので、まずは屋上を確認してみてください。
UHFアンテナに対して、縦棒に不規則な長さの横棒がついているのがVHFアンテナ。このアンテナでは地デジを受信できないので、家電店などに依頼してUHFアンテナを設置してもらう必要があります」
UHFアンテナの価格は、設置費用込みで3万5000円(全国平均)ほど。このアンテナがあれば、あとはデジタルチューナー内蔵型テレビを購入すればいい。また、デジタルチューナー内蔵型テレビの代わりに、デジタルチューナー(もしくはデジタルチューナー内蔵録画機)&アナログテレビのセットでもOKだ。
しかし、集合住宅の場合は、少し注意が必要となる。
「集合住宅の場合、建物の屋上にある共同アンテナにUHFアンテナを追加したり、交換・調整したりする必要があります。分譲マンションなら居住者の方々が管理組合などを通じてUHFアンテナを追加、交換・調整しなければなりませんし、賃貸のアパートなどであれば、オーナーさんが対応する必要があります」
共同アンテナの状況については、マンション管理組合やオーナーさんに聞けば確認できる。しかし古いアパートなどの場合、地デジについて何も分からないというような高齢のオーナーさんもいるだろう。そのような場合はデジサポへ電話するのが近道だ。
「私たちデジサポでは、全国の集合住宅の地デジ対応状況についても調査しています。『そのアパートは地デジに対応済みです』とお答えできる場合もありますし、設備点検も無料で実施していますので、気軽にお電話してください」
ちなみに、アナログ放送終了間際には駆け込み需要も予想されるという。7月24日までにアンテナ設置が追いつかなくなる可能性もあるというから、早めに地デジへ移行するのが吉といえそうだ。
「デジサポ」ホームページ http://digisuppo.jp/