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平野ゆかり
平野 ゆかり
2012年6月28日 (木)

どれくらいオトク? 今注目の電気料金割引マンションを検証!第1回

東日本大震災以降、原子力発電の停止により日本は全国レベルで電力不足の問題をかかえている。そんななか首都圏では節電対策を強化したマンションが登場。今回は三井不動産レジデンシャルの開発事業本部 商品企画室の町田俊介さんに、この夏販売予定の「パークタワー西新宿エムズポート」(売主/三井不動産レジデンシャル)の節電の実力を伺った。

高圧電力の一括受電で電気料金約5%カット

昨年の秋ごろより、新築マンションでは電気事業者から高圧電力の一括受電を導入するケースが増えている。これは居住者が東京電力と個別に低圧電力を契約する従来のものに比べ、安価な高圧電力を需給することで電気料金が安くなるメリットがある。

「この『パークタワー西新宿エムズポート』は、一括受電事業者であるNTTファシリティーズより高圧電力を一括受電することで、電気料金が約5%安くなります。この高圧一括受電に加えて『MEMS』と『HEMS』、さらに大型蓄電池によるエネルギーマネジメントシステムを構築したのは、業界でこのマンションが初めてです」と町田さん(以下同)。

「MEMS」「HEMS」とは?

まず共用部の電力を自動制御する仕組みが「MEMS」(Mansion Energy Management Systemの略)。具体的には共用部の照明や電気自動車の充電、エアコンなどに使用する電力や蓄電池を制御、効率的にマネジメントするシステム。電気事業者の電力需要情報を把握しながら共用設備の電力管理に加え、各住戸の「HEMS」(Home Energy Management Systemの略。詳しくは下で説明)への制御指示もする。これらの電力利用状況はモニターにて“見える化”されている。

続いて、各住戸で消費するエネルギーを“見える化”そして制御する仕組みが「HEMS」。ホームエネルギーの文字通り、リビングやキッチン、居室など部屋ごとの電力使用量や前月、前年同月などとの比較がモニターで見える。どれくらい使用しているかが目で確認できるので、節電目標をたてやすいし節電を実行しやすい。

■エネルギーマネジメントシステム概念図
エネルギーマネジメントシステム概念図

節電協力をするとポイント制で1kW約20円の電気料金を割引

最後の仕組みが、デマンドレスポンスによるインセンティブ還元。「これが社会貢献につながるシステムです」という。デマンドレスポンスとは、電力需給ピークに応じ消費を低減する仕組みをいう。通常夏の電力消費のピークは1:00PM~4:00PM。前日に電気事業者が翌日のピークを予測し、需要が増えそうな場合は居住者にメールを送信。

「節電をうながす情報は「HEMS」のモニターで告知されます。当日に、前日の同じ時間帯と比べ節電できていると、その電力量に応じてポイントが付与され、翌月以降の電気料金から割引されるシステムです。1kWで約20円、共用部のポイントは管理組合に還元されます」。四六時中、節電に縛られず、本当に必要なピーク時のみ節電すればよいので気持ちの負担の軽減にもつながるという。

■HEMS画面イメージ
HEMS画面イメージ エネルギーモニター
HEMS画面イメージ エネルギーモニターの詳細内訳

以上3つの仕組みで構成されるエネルギーマネジメントシステムを導入した「パークタワー西新宿エムズポート」。高圧一括受電による5%カットとデマンドレスポンスによるポイントの還元で電気代は無理することなくコストダウンできる。さらに、太陽光発電と大型蓄電池により、デマンドレスポンスするだけでなく、災害などによる停電時でも非常用発電機と合わせて、非常用エレベーターは最大で約17時間稼働できるという防災機能も備えている。

このような大掛かりなエネルギーマネジメントシステムは、大規模マンションならではともいえる。従来のスケールメリットに加わったポイント還元制度。マンションのエネルギーシステムは日々進化しているといえる。

パークタワー西新宿エムズポート(三井不動産レジデンシャル株式会社)
HP:http://www.31sumai.com/mfr/X1020/
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