夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、通信メーカー勤務のご主人(36歳)。奥様(36歳)の生態をきっちりと把握しています。
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「ながらお菓子」が大好きなウチの奥さん。仕事から帰ると、彼女が日中、家のどこで何をしてたのか、だいたいわかります。
寝室のベッドには飴の棒。きっと僕を見送った後、飴をなめながら二度寝したんでしょう。ソファの下のラグにはポテトチップスとポッキーの欠片、テレビのリモコンには油とチョコがついています。きっとソファで昼寝してから、ポテチとポッキーを食べながらテレビを観てたんでしょう。お菓子の袋はゴミ箱の奥に潜り込ませて“証拠隠滅”してるつもりなんでしょうが、お菓子だけに、詰めが甘いというかなんというか。
それより、困るのは昼間、これだけたっぷりと寝てるので、夜は深夜まで、時には明け方近くまでテレビを観ていることです。しかもお菓子を食べながら。
彼女は推理ドラマ好きで、録画して観ているんですが、リビングの隣が寝室。だから殺しのシーンの音なんかもガンガン聞こえてきます。そのせいか、僕が見る夢は、毎晩のように悪夢。ペチャ、ペチャ……お菓子を食べる音も、夢の中では不気味です。奥さんに訴えると、「毎晩、悪夢を見る? おかしいわよ、アナタ」。いーや、お菓子いのはお前!
※週刊ポスト2013年9月20・27日号