花粉症やアトピー性皮膚炎、ぜん息など、ひと口にアレルギーといってもいろいろな症状、病気がある。厚生労働省の花粉症対策などを担当している医学博士の大久保公裕さんは、こう説明する。
「そもそもアレルギーは、“免疫の誤作動”が原因なのです。例えば、ある物質が体内に入ると、免疫機能が働いて体を通過させていいものかどうか判断します。物質がウイルスや菌など有害なものの場合、免疫機能が働いて、くしゃみや咳、鼻水、涙と一緒に体外に出そうとします。しかしアレルギーの場合、花粉や乳製品、卵などの本来無害なものまで、異物と判断して排出しようとしてしまうんです」(大久保さん、以下「」内同)
アレルギーを発症させる原因物質──“アレルゲン”に含まれる糖タンパク質を人体が感知すると、“IgE抗体”という抗体が作られ、結果アレルギー症状が起きる。特に食物アレルギーの場合、呼吸困難や意識の混濁など、命にもかかわる“アナフィラキシーショック”を引き起こすことも。
「親子で容姿が似るように、残念ながらアレルギーも遺伝します」
アレルギーになる原因は、生活習慣や環境、ストレスなどさまざまだが、遺伝もその1つ。ただ、親子で同じアレルギーになることもあれば、親はアレルギー性鼻炎、子供はアトピーや金属アレルギーなど、違うアレルギーを発症するケースも。遺伝するのは特定の症状ではなく、“アレルギー体質”だということがわかっている。
「子供がなんらかのアレルギーを発症する確率は、両親ともにアレルギーがある場合が60%、片親にアレルギーがある場合は40%、どちらもアレルギーがない両親から生まれた場合20%。やはり、アレルギー家系であるほど、子供の発症率も高くなる傾向にあります」
※女性セブン2014年3月20日号