住まいの雑学
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2014年1月4日 (土)

古民家のよさを伝えたい! 古民家鑑定士ってどんな資格なの?

古民家は今、リノベをして新たな住まいにしたり、カフェにしたり注目されている(写真: iStock / thinkstock)
写真: iStock / thinkstock

根強い人気の古民家。お寺や神社の参道に昔ながらの建物をリノベーションしたカワイイカフェなんかがあると、つい中を覗きたくなるもの。そんな古民家に関する資格で、「古民家鑑定士」なるものがあるのをご存じだろうか?

どんな資格なのか、古民家鑑定士の資格試験や講習などを実施している財団法人・職業技能振興会に話を伺った。

「『古民家の伝統的・文化的な価値をきちんと評価することで、古民家のリフォーム、部材としてのリユースを積極的に行い、循環型社会の構築を目指す』。そうした目標を掲げて、平成21年に古民家鑑定士の資格制度が創設されました」

まだ新しい資格である古民家鑑定士。その仕事内容は大きく分けて3つあるそう。それぞれの内容については、職業技能振興会のホームページを参考にご紹介したい。

1.古民家の調査・判定・提案
古民家や在来構法の木造住宅を実際に鑑定し、耐久性や希少性、文化的な住環境の保存などの総合的な判断基準に基づいて「古民家鑑定書」を発行する。

2.古民家再生・活用促進、流通経路の構築
古い木造住宅の移築・再生事業を通じて、再活用可能な住文化をユーザーへ提案し、流通経路を構築する。また、適正価格での古民家や伝統資財の流通システムを伝統資財施工士と協力し構築していく。

3.古民家の社会的認知の促進
古民家が長期耐用住宅であることをユーザーへ伝え、可能な限り残していけるように社会的認知の促進を図る。また、伝統資財を活用した住宅、店舗の設計、施工などの提案を行う。

つまり古民家鑑定士とは、古民家の価値を鑑定するだけでなく、その流通や社会的な認知度の向上も担う、古民家のスペシャリストというわけだ。この資格は、1級・2級(在来・伝統)に分かれており、全国で試験が実施されている。20歳以上で、古民家や古材・古瓦など伝統的な建築や資材に興味のある人なら誰でも受験可能だ。

「資格試験受験者の70%は建築・不動産関係従事者で、大手不動産会社の営業担当、工務店経営者、一級建築士、不動産鑑定士など多岐にわたります。ご自身のスキルアップ資格として、例えば古民家を鑑定後、リフォームの依頼を受ける、などの形で活用されています。そのほかにも、古民家に興味を持つ方、古民家に移住を検討する方、ご両親から古民家を受け継いだ方など、さまざまな方が受験されています。古民家鑑定士資格取得者が希望し、弊財団が認定した場合は、インストラクターとして古民家鑑定士試験前講習の講師を務めるケースもありますよ」

現在、古民家鑑定士の人数は約6,000人。今後、空き家活用の取り組みや中古住宅市場が活況ということもあり、ますますニーズが高まりそうなこの資格。2014年になにか資格を取ろうと思っているなら、候補にしてみるのもいいかも。

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