米Spectrum Bridgeは,いわゆる「ホワイトスペース」と呼ばれる周波数帯域で無線ブロードバンド・サービスを開始した。バージニア州クロードビルにおいて,ラスト・マイルの通信手段として試験的に提供している。ホワイト・スペースを使ったブロードバンド・サービスは,これが米国初の取り組み。

 Spectrum Bridgeは米連邦通信委員会(FCC)から試験免許を取得した(関連記事:米FCCが「ホワイトスペース」の解放を決断,通信業界からは歓迎の声)。現在サービスを現地の学校やカフェ,コンピュータ・センターに提供しており,試験期間中に有効性や経済性を検証する。このサービスを開始するにあたり,ホワイトスペースの開放をFCCに要求していた米Dell,米Microsoft,ベンチャー・キャピタルの米TDF Foundationが,ハードウエア/ソフトウエアを寄贈した。

 ホワイトスペースとは,米国のテレビ放送がデジタル化したことで空いた周波数帯域。デジタル放送用の電波はアナログ電波に比べ干渉しにくいため,テレビ用周波数帯に未使用部分が生まれた。DellやMicrosoft,米Googleなどはホワイト・スペースを無線ブロードバンド・サービス向けに開放するようFCCに要求した。これに対し,米国の放送業界は反対キャンペーンを展開していた(関連記事:Google社がFCCに新提案,携帯端末がテレビ放送向けの未使用周波数を利用できるよう許可求める/米放送業界団体がホワイトスペース開放に異議,FCCに意見募集を要請)。

[発表資料(Spectrum Bridgeなど)]
[発表資料(米連邦議会下院議員のRick Boucher氏)]