8月も中旬を過ぎれば、陽射しはだんだんと穏やかに。いままで大活躍してくれた緑のカーテンも、その役目を終えるころが近づいてきている。
しかし、緑のカーテンが終わってしまうからといって、プランターをほったらかしにしてしまうのはもったいない。遊ばせていないで、たとえば野菜の種などを植えて、季節を問わず楽しんでみてはいかがだろうか。
そこで、花や野菜のタネ・苗の総合メーカーのサカタのタネの広報で「ここまでできる!ベランダでコンテナ菜園」の著書もある淡野一郎さんに、空いたコンテナの利用法についてうかがってみた。
「外はまだ暑いですが、秋から冬にかけて収穫する野菜のタネまきは、7月から始まります。コンテナに直まきする野菜では、ニンジンや小カブなどがありますが、土が乾きやすく、地温も上がりやすいので、出芽までは乾かさないように注意し、半日陰で管理するのがおすすめです。小カブは『たかね』が暑さに強く、早ければ1か月ほどで収穫できます。また、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツなどキャベツの仲間も、7~8月がまき時です。これらは直径9cmのポリ鉢で苗を育ててから、プランターや鉢に植えつけます。ブロッコリーは『ピクセル』が、カリフラワーは『美星(みせい)』が早く収穫できておすすめですね。8月下旬頃になると苗での販売も始まると思いますので苗から始めてもよいでしょう」
話しを聞いてみると、今から種まきができる野菜がこんなにも多いことに驚きを感じた。さらに淡野さんは、より簡単に育てられる野菜も教えてくださった。
「簡単で繰り返し収穫できるのが葉物野菜です。ミニチンゲンサイの『シャオパオ』は1か月ほどで普通のチンゲンサイの約3倍の数が収穫でき、レタスの仲間の『チマサンチュ』は葉をかき取ることで長く収穫できます。これから、日がだんだんに短くなり、気温が徐々に下がっていくので、病害虫や雑草が出にくく、土の乾きも少なくなります。だからこれからの時期は、園芸にはもってこいの季節といえるんですよね。一方で、まき時期が少し遅れるだけ、収穫時期が大幅にずれ込むので、タネ袋やラベルに書いてあるまき時期を確認してから、栽培を楽しんでください」
緑のカーテンを入門に、本格的な野菜の栽培に取り組んでみてはいかがだろうか。趣味が増えれば、毎日の暮らしも楽しくなること間違いなしだ。