住まいの雑学   |   リフォーム・内装
彼氏・彼女と楽しく同棲♪
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榎並 紀行(やじろべえ)
2014年1月31日 (金)

映画『L・DK』に学ぶ、快適な「ワンルーム同居」のコツ

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画像提供:東映

原作は累計340万部超えの大人気少女マンガ、剛力彩芽が初主演を務め、相手役は実力派若手俳優の山﨑賢人、などなど、公開前から何かと話題の映画『L・DK』(4月12日公開)。全編にわたり胸キュン要素がこれでもかと詰め込まれた、まさにド直球のラブストーリーです。恋に恋する中高生はもちろんのこと、春先の新しい出会いに向けて恋愛のモチベーションを高めておきたいオトナ女子のみなさんにも必見の一作ではないでしょうか。

一方で、住まいと暮らしのコラムサイトであるSUUMOジャーナル的には、主人公が暮らすお部屋のかわいらしさも気になるところ。主人公と同年代のティーンのみならず、アラサーの筆者すらも思わず住みたくなってしまうほどに素敵なお部屋はいかにして生まれたのか? 同作の美術監督を務めた黒瀧きみえさんに、お話をうかがいました。

舞台は横浜・山手。高台に建つ激カワ「洋館アパート」

ダ・ヴィンチ主催「電子書籍アワード2013」にて「女性マンガ部門」ナンバーワンに輝くなど、根強いファンをもつ少女マンガが原作とあって、期待値も高い『L・DK』。主人公は快活なんだけど恋愛には奥手な女子高生・西森葵と、同じ学校に通う学園イチのモテ男・久我山柊聖。ひょんなことから始まる2人の同居生活をコミカルに、時にせつなく描く青春映画です。

剛力彩芽演じる葵は高校生ながらひとり暮らし。家族は父親の仕事の都合で海外におり、大学進学を目指す葵のみ学校近くのアパートに住んでいる(そこに、柊聖が転がり込んでくる)んですが、そのアパートが外観からして超絶オシャレなのです。

映画『L・DK』に学ぶ、快適な「ワンルーム同居」のコツ

【画像1】横浜・山手の高台に位置する瀟洒な洋館、といった風情の「山手十番館アパート」。乙女ゴコロをくすぐる、なんともかわいらしいたたずまいです(画像提供:東映)

鮮やかな新緑が芽吹く木々に囲まれた美しい洋館。映画の舞台は古くからの外国人居留地として知られる横浜・山手ということで、こうしたメルヘンな物件が建っていてもなんら不思議ではありません。葵のお部屋は、そうした当地ならではの背景をふまえてつくり込まれたそう。

「葵のアパートは大正中期くらいに建てられた洋館、いわゆる文化住宅をイメージしています。当時の建物の良さである和洋折衷の美しさを残しつつ、若い人向けにリノベーションしたという感じですね。例えば、キッチンの壁をよく見ると、ステンドグラスがはめられたレトロな欄間が残っていたりして、ノスタルジックな風合いが感じられると思います。室内のシーンでは、そうした点にも注目してもらえるとうれしいですね」(黒瀧さん)

――インテリアもかわいらしいですね。ただ、イマドキの女子高生にしては、色づかいなどがやや落ち着いている感じもします。

「葵はどちらかというとボーイッシュで元気なキャラクターなので、お部屋も女子全開の甘い雰囲気になりすぎないよう気を付けました。基本は木目のナチュラルな内装を活かしつつ、グリーンやブルーなどのインテリアを差し色に使って、なんとなく北欧の子ども部屋の雰囲気を出しています。一方で、料理好きの葵にとってお気に入りの空間でもあるキッチン回りにはビタミンカラーを配してみたりと、女の子っぽい一面が感じられるようにしました」(同)

映画『L・DK』に学ぶ、快適な「ワンルーム同居」のコツ

【画像2】こちらは黒瀧さんによるラフスケッチ。葵のキャラクターをイメージしつつ、空間デザインを固めていったそうです(画像提供:黒瀧きみえ)

映画『L・DK』に学ぶ、快適な「ワンルーム同居」のコツ

【画像3】料理好きの葵らしく、きちんと整頓されたキッチン。小物などもカラフルなものがそろえられています(画像提供:黒瀧きみえ)

ワンルームでの同居生活。快適に過ごすコツは?

――現実のインテリアコーディネートでも参考になりそうなお話ですね。さて、そんな葵の部屋にある日、柊聖くんが転がり込んでくるわけですが、ワンルームのスペースに2人暮らしとなると、かなり窮屈な気もします。

「確かに一般的なアパートのワンルームだと厳しいでしょうね。ただ、ここはもともと洋館なので天井が高く、ゆったりしたつくりになっていますし、壁面につくりつけの家具があったり、収納も奥まっていたりと、空間を広く使える工夫がなされています。そのため、布団を二枚引いても適度な広さがあり、息が詰まることなく暮らせるお部屋になっているのではないでしょうか」(同)

つまり、窮屈になりすぎず、しかしお互いの気配・体温はしっかり感じられる空間というわけですね。それが快適性とドキドキが両立する、絶妙な距離感を生んでいるのかもしれません。余談ですが、ワンルームでの同棲を検討しているカップルは、黒瀧さんが挙げたポイントを意識して物件探しをするとうまくいくかもしれませんよ。

――さて、ワンルーム同居となると難しいのがプライベートな空間の確保ですが、葵の場合は部屋の真ん中に布を吊るし、間仕切りをつくっていました。あれ、すごくいい手ですね。しかも、ありあわせの布を吊るしているだけといった雰囲気なのに、なんだかオシャレな感じがしました。

映画『L・DK』に学ぶ、快適な「ワンルーム同居」のコツ

【画像4】カーテン代わりに布を吊るし、空間を二分することでそれぞれのプライベートスペースを確保。これまた、実際の同居生活でも使えそうなアイデアです(画像提供:東映)

「間仕切りのカーテンは部屋の中でも割と目につくものですし、インテリアとして意外に重要度が高いんですよね。とはいえ、毎日安売りのチラシをチェックしてスーパーで買い物する倹約家の高校生が、オシャレなカーテンを買うのは何か違うなと思い、葵が持っていそうな布を組み合わせて間仕切りをつくることにしました。ほかにも部屋をよく見ると、かわいいシールやペイントで家具や家電がアレンジされていたりもします。お金がない高校生なりに、目いっぱいオシャレに、快適に暮らそうとしている葵の工夫が感じられると思います」(同)

葵と柊聖のじれったいながらも爽やかな恋模様にキュンキュンすると同時に、快適な同居生活のヒントや、お金をかけずに暮らしを楽しむコツまで得られてしまう映画『L・DK』。観賞の際には、上記のようなポイントにも注目してみてはいかがでしょうか?

●映画『L・DK』公式サイト
HP:http://love-ldk.jp/
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