街・地域
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佐藤潮 @エフェクト
2011年9月26日 (月)

地域ブランド化を目指す、岐阜市の「明日の宝もの」

格子造りの住居や立派な蔵など、古い町並みが残る岐阜市長良川温泉の川原町界隈。岐阜県から「明日の宝もの」として認定されているこのエリアでは、街をブランド化するため地域一丸でさまざまな取り組みが行われています。

地域ブランド化を目指す、岐阜市の「明日の宝もの」まず10年ほど前にスタートしたのが古民家を活かした景観整備プロジェクト。電柱を地中に埋めたり、アスファルトの道路を石畳に変えたりすることで、江戸時代に問屋街として栄えた風景をだんだんと取り戻しました。

さらに、失われつつあった伝統工芸品「岐阜うちわ」の製造販売業も再生。各住居に名物のちょうちんを飾り付けるなど取り組みを続けたところ、その華やかさに惹きつけられ、雰囲気の良いカフェやギャラリーも自然と集まってきたそうです。

そんな川原町とともに長良川温泉全体も盛り上がり、今年の10月には温泉泊覧会「長良川おんぱく」の開催が決定。約1カ月の間、100種類の体験交流プログラムを通して、地域の歴史や食文化、豊かな自然などを参加者に伝えるのだとか。そこで、詳しいお話を長良川おんぱく事務局の広報メディアディレクター稲葉さんにうかがいました。

「私たちはイベントを通じて、地域のつながりを推進したいと思っています。実は岐阜市内には、街の文化や歴史をよく知らない若者が増えているんです。そういう方々に鵜飼いなどの伝統文化を見学してもらい、岐阜市民としてのアイデンティティ、誇りを感じてもらえたらうれしいですね。もちろん、温泉泊覧会が“博”ではなく“泊”の字であるとおり、遠方からの宿泊者も大歓迎です」

若い人たちが岐阜市へ興味を持つことで街全体が元気になるという稲葉さん。体験交流プログラムには、ヨガやエクササイズを組み込んだものもあり、新旧の文化を織りまぜつつ地域の魅力をアピールするそうです。

実際に20代~30代の若者からの問い合わせが多いというこの温泉泊覧会。街のブランド化を押し進める起爆剤となり、やがて長良川温泉&川原町界隈の名が全国に知れ渡ることになったりして。

長良川おんぱく
HP:http://nagaragawa.onpaku.asia/

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