夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(45歳)が商社勤務の奥様(45歳)。ご主人の叔父さんが困ったちゃんなのだとか。
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私たちは東京で、叔父の家は岡山なので、ほとんど交流がなかったんです。でも、叔父の末娘が東京の大学に進学し、「心配だから」と様子を見に上京し、我が家にも寄るように。 最初に来た日、「外で食事しましょう」と、私たち夫婦、叔父の3人で商店街へ。すると、叔父がさっさと蕎麦屋に入るので、「蕎麦を食べたいんだわ」と私たちも続いて入りました。
すると、「この辺に美味しい蕎麦屋さんはないですか?」と店主に聞く叔父。「ん?」という表情で「ここは蕎麦屋ですが」と答える店主。「いや、私が聞いてるのは、美味しい蕎麦屋さん!」以来、その蕎麦屋の前を歩くのを避けています。私の姿を見かけると「オイッ、塩をまけ!」って、奥さんに怒鳴ってる店主の声が聞こえるんですもん。
隣のご主人が家に遊びに来た時も、叔父がいて、「小田急線通勤でしょう?」「なぜわかったんですか?」と驚くご主人。「漫画家の藤子さんは、小田急から、オバQという名前をつけたそうです」「それがどうして私と?」「『頭のてっぺんに毛が3本』の歌詞ですよ。あなたの頭を見て、オバQ、小田急線通勤と連想したんです」
隣のご主人、「駅まで遠いですが、来月から京王線に変えます」と、嫌味たっぷりに主人に報告してきました。叔父さんという近親騒音で、近隣トラブルが増え続ける我が家です。
※週刊ポスト2013年1月18日号