家族で旅行に出かけたいけれど、家計を考えるとあまりお金はかけられない──そんな家庭にオススメなのが「ふるさと旅行券」だ。
「ふるさと旅行券って何!?」という疑問をファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが解説する。
「消費喚起を目的に、政府の『地域住民生活等緊急支援のための交付金』を自治体が活用し、発行しているプレミアム付き商品券です。具体的には、宿泊施設に割引価格で泊まれる旅行券、地域の名産品がお得に買える割引券、飛行機代が含まれた旅行ツアーなどが各自治体から販売されています。旅行券は、各自治体の窓口やインターネット上の旅行サイトで購入できるほか、コンビニで発券できるものもあり、誰でも手に入れることができるのです」
その注目度は高い。最近、47都道府県最後の進出地として「スタバ1号店」ができたことが話題の鳥取県は、今年4月1日に全国のコンビニエンスストアで「プレミアム宿泊券 とっとりで待っとるけん」を発売。午前9時の発売開始からわずか4分で1万4000枚が完売してしまった。
「ホテルや旅館など県内の宿泊施設で利用できる宿泊券で、額面1万円の旅行券を5000円で販売しました。販売開始前に問い合わせがかなりあったのですが、ここまで売れるとは思っていませんでした」(鳥取県観光交流局観光戦略課)
新潟県阿賀野市は5月1日に、市内の五頭温泉郷の旅館で使える「五頭温泉郷旅行券」を発売した。宿泊に使える1万円分の金券を5000円で購入できる内容だったが、こちらも発売後に即完売。インターネット受付はサーバーがダウンし、販売窓口では開始時点で既に300人以上の列ができていたという。
福島県が販売した県内の宿泊施設で利用できる宿泊券もすぐに売り切れ、そればかりか、その後、ネットオークションで売買されていることが発覚し問題となるなど、“チケット争奪戦”は過熱しており、JTB、じゃらん、るるぶトラベル、楽天トラベルなどの旅行サイトでは「ふるさと割」として各都道府県の宿泊割引券やツアーがいくつも販売されている。
例えば、宮城県内の宿泊施設の代金が最大5割引きになる「観光王国みやぎ旅行券」、岡山空港の利用で県内の旅行商品が安くなる「いっぺんこられ~岡山空(くぅ)ぽん」、群馬県内の宿泊施設で使える「群馬プレミアム宿泊券」など、全国約660の地方自治体が、“ぜひ、わが地元へ”と、お得プランを打ち出しているのだ。
※女性セブン2015年7月23日号