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100巻で幕閉じた『あさりちゃん』 最近はラジオから着想した

 1978年『小学二年生』8月号で連載開始して以来、35年間続いた少女向けギャグ漫画『あさりちゃん』が2月、コミックス100巻で幕を閉じる。

 勉強は苦手だけど、天真爛漫で元気いっぱいの小学4年生、浜野あさりが家庭や学校を舞台に大暴れするドタバタコメディー『あさりちゃん』。2才年上で秀才の姉タタミ、怒ると怖いさんごママ、家では影の薄い鰯パパ、ユニークな顔をした犬のうにょといった家族やクラスメートたちが、あさりちゃんのパワーに巻き込まれていく。

 作者の『室山まゆみ』はペンネームであり、あさりとタタミ同様、2才違いの実の姉妹だ。仕事の分担から聞いた――。

姉・眞弓(以下・姉):ふたりで手分けして描いています。アシスタントを頼むこともありましたが、基本はふたり。

妹・眞里子(以下・妹):私たちも主人公と同じ姉妹なので、連載当初は子供の頃の体験をネタにしたこともありました。描き始めたときはまだ20才そこそこでしたから、小学生目線で描けたんです。でも、さんごママの年齢である36才を過ぎたあたりから、気がついたら母親目線になっていました。

姉:80巻あたりから“さんごママの服装が老けていませんか?”という読者からの手紙が来たこともありました。

妹:さんごママは座った時にスカートでひざが隠れるんですが、「あれはおばあちゃんの服装です」と。私が子供の頃、お母さんがミニスカートをはくなんて感覚はなかったですから。最近のさんごママは髪をバレッタで留めたり、ミニスカートをはいたりもしています。

妹:連載を始めた当初はカレンダーとにらめっこ。今月はクリスマスネタ、運動会ネタなど季節の行事ネタを各学年で描いていました。

 最近はラジオからヒントを得ることが多かったです。紹介されるちょっとしたひと言がネタになるんです。そこからどういう話にするかの軸を決めてから、私が絵コンテを描いて、姉に見せて、OKが出れば作業に入ります。

姉:だから一日中、ラジオを流しっぱなし。あとは外出先で何気なく耳にした子供の言葉を覚えて、あとで調べてネタにすることも多いです。

妹:その時代の子供たちがどんなものに興味を持っているかを大事にしてきたので、実際に流行しているものをお話に登場させていました。

姉:古い巻を見れば、“この頃、これが流行っていたね”と懐かしんでもらえるようにと思い、その頃話題になっていたアイドルやゲームなんかを取り入れたこともありましたね。

※女性セブン2014年3月13日号

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