流行語大賞にも入った“イクメン”だけじゃなく、“カジメン”も増えているらしい。調査結果によると「家事への参加が積極的である」と、半数近くの男性が自己評価している。それでは、男性が家事に参加しやすい住まいとはどんなものだろうか?
育児に積極的に参加する“イクメン”や会社に手づくり弁当を持参する“お弁当男子”など、男性が積極的に育児や料理を行うことが話題になっている。
三菱地所ホームが全国の30代~50代の既婚男女800人に「住まいに関する意識調査」を行ったところ、男性の家事参加について、男性自身は43.6%が積極的(積極的である9.8%、割と積極的である33.8%)と回答した。これに対し、女性からの積極的という評価は36.1%(積極的である8.8%、割と積極的である27.3%)に下がり、積極的ではないという評価も26.3%あった。
家事参加に積極的でないと回答した男性にその理由を聞くと、「はじめから手伝う気がない」(30.2%)、「忙しくて時間がない」(23.0%)、「特に必要性を感じていない」(13.7%)という放棄型の回答も多いが、一方で「やり方がわからない」(23.7%)、「家事に必要なものがどこにしまってあるか分からない」(19.4%)、「奥様が家事をしていると手伝うスペースがない」(12.2%)とやる気はあるが参加しづらいという回答も多かった。
●ご自身(旦那様)は家事の参加に積極的だと思いますか?(単一回答)
※三菱地所ホーム調べ 『住まいに関する意識調査』(P6)より引用
家事に必要なものが分かりやすく収納され、家事スペースが十分ある住まいであれば、非積極的な男性が家事参加をするのかどうか若干疑問も残るが、積極的と回答したカジメンが、家事をしやすい住まいとはどういったものだろうか?
東京ガス都市生活研究所の調査結果によると、カジメンのキッチンでの不満は、「調理台が狭い」、「キッチンが狭い」、「流しが狭い」、「生ごみ処理が面倒」、「収納場所が少ない」というものであった。また、大和ハウスのメールマガジン会員へのアンケート結果によると、男性がよくする家事は、1位「風呂掃除」、2位「屋外の掃除」、3位「食事の後片付け」、4位「部屋の掃除」、5位「料理」の順であった。
こうしたことから考えると、男性が家族と一緒に家事をするには、まずキッチンが広いことがポイントになる。キッチンが広ければ、システムキッチンのサイズも大きくなる傾向にあり、それに応じてシンク(流し)や調理台の幅も広い可能性が高く、カジメンの不満をかなり解消できる。たとえキッチン自体のサイズが大きくなくても、形状や配置から動きやすいものを探すという選択肢もある。また、生ごみ処理が面倒という人にはディスポーザー(生ごみ処理機)も検討材料となるだろう。
収納も家事参加のポイントのひとつだ。収納が適材適所に配置してある間取りは、使うものをすぐに取り出せるので便利。最新のシステムキッチンには、調理器具などを上手く収納できるものが多いし、廊下収納や玄関脇収納があれば、掃除機や屋外用掃除道具を収納できて使い勝手がよい。
浴室が大きいというのもポイントになる可能性がある。一般的に女性より体の大きい男性は、浴槽が小さいという不満を持つことが多く、女性より浴室のサイズを重視する傾向にある。バスタイムの充実が、風呂掃除に拍車をかけるという効果を生むかもしれない。
こうした動向を受けて、デベロッパーやハウスメーカーの一部に、男性の家事参加を意識した住まいを提供するケースが出ている。ただし、まだ限定的な動きなので、実際に希望エリアでこうした住まいに出合える可能性は多くはない。一方、子育てママや共働き女性向けに家事がしやすい住まいは数多く提供されているので、こうしたものを参考にして、カジメン向きの住まい探しをするのが効率的なのかもしれない。