リクルート住まいカンパニーは、住宅の購入や建築を検討している人を対象に、検討に当たっての予算などについて調査をしている。同じようにマイホームを検討している人の予算や頭金などは、大いに参考になる。ただし、実際に我が家の予算を割り出すのは、それだけでは不十分。基本的な考え方を理解しておくべきだろう。
同社は2012年度からこの調査を実施しており、今回は2013年9月に調査した結果をまとめたもの。
2013年度の予算の上限金額は、平均で3803.2万円で、前年より40.4万円アップした。7大都市圏では、首都圏が最も高く4178.5万円だが、前年と比べると89.8万円ダウンした。関西圏は3589.0万円(+230.3万円)、東海圏は3282.1万円(-0.6万円)札幌市は3134.4万円(+308.2万円)、仙台市は3190.3万円(-123.2万円)、広島市は3251.5万円(+129.2万円)、福岡市は3246.9万円(+227.8万円)だった。
一方、頭金の平均は1403.1万円で、前年より51.1万円アップした。頭金は年代による違いが大きく、50代・60代では2199.6万円と高額だが、40代で1596.8万円、30代で1056.5万円、20代で839.1万円と年齢が下がるほど低くなった。ただし、どの年代も前年に比べるとアップしている。
また、頭金を「親から援助してもらえると思う」と答えた人(41.4%)の平均は1516.4万円で、「援助してもらえないと思う」と答えた人(58.6%)の平均1323.1万円より193.3万円高くなった。
では、実際に予算はどのように割り出すのがよいのだろう?
予算は、「頭金+住宅ローン借入額」となるが、実際に購入や建築をする場合は、ローンの手続きや登記などにかかる諸費用が必要となる。分譲か仲介か、マンションか一戸建てか、購入か建築かなどによって、必要な費用は異なる。目安としては、おおよそ土地+建物価格の5~10%程度見ておくのがよいだろう。
貯蓄などの自己資金から万一の生活費3カ月~6カ月、使用予定のある金額を残し、諸費用分を差し引いた額が、頭金に充てられる額となる。ただし、調査結果にもあったように、親から援助をしてもらえるなら、その分だけ頭金を増やせる。
一方、住宅ローンの借入額は、一般的には年収の25%以内に年間返済額を収めるのがよいと言われている。ただし同じ年収でも家族構成や家計事情によって、無理なく返済できる額は異なるので、現在の住居費(家賃や購入のための貯蓄)をベースに、購入後に新たにかかる費用(修繕積立金や固定資産税など)を考慮して返済できる額を求め、その返済額で借りられる金額にするのがよいとされている。
今はインターネットで住宅ローンの借入可能額や資金プランを算出してくれるサイトもあるので、自分で試算することも難しくはない。こうした基本的な考え方を理解したうえで、長期的なマネープランを考えたり、現在の家計を見直したりして、長く無理なく返済できる予算立てをするのがよいだろう。
今は史上最低レベルの低金利という点は大きなポイント。低金利であるほど、同じ返済額でも借入額が多くなるからだ。まして今の時期は、2014年4月からの消費税率上昇前の駆け込む需要を狙って、さらに低金利な住宅ローンや新しいサービスを付加した住宅ローンなどが増えつつある。こうしたチャンスを購入や建築の好機と考える人も多いだろう。