街・地域
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佐藤潮 @エフェクト
2011年10月12日 (水)

子どもの英語教育にぴったりな街とは?

今年度からすべての公立小学校で外国語活動が必修科目になり、5年生と6年生は年間35時間ほど英語を学ぶことになりました。

もともと、小学校では“総合的な学習の時間”を利用して英語活動が行われていましたが、内容や授業数に大きなばらつきがあったそう。そのため、地域により英語の学力格差が広がる可能性もありました。
今回の必修化で授業時間が統一されたり、教材「英語ノート」が配られたり、一見その格差は埋まったように感じます。しかし、各学校ごとに外国人講師を招く場合もあれば、英語の指導に不慣れな学級担任が授業を行う場合も。子どものころからネイティブな発音を聞くか否かは、将来的な英語力にも影響しそうです。
さらに、その学習内容も依然として大きな開きがあるようで……。そこで、自治体が軸となり小学校の英語教育に力を入れいている地域を調べてみることにしました。

まず注目したのが、小泉内閣が2003年に施行した構造改革特区の認可第1号である群馬県太田市。この市では、小学校から高校まで国語と社会以外の授業は英語で行うという構想を打ち出し、学校法人「ぐんま国際アカデミー」を設立。現在でも小中高一貫で英語に特化した教育を進めており、高校生並みの学力が必要な英検2級や準2級の合格者が、小学4年生の内から出ているそう。
ちなみに、どうすれば入学できるのかなど、詳しいお話をぐんま国際アカデミーの井上副校長に聞いてみたところ……。

「本校は市の主導でつくられましたが、私立校として運営を行っており、入学試験も実施しております。毎年、90名の定員に対し、140名から180名ほどの申し込みがありますね。また、在校生の半数は市内で暮らし、残りの半数は電車で1時間圏内にある県内外の地域から通学しているようです。子どもの教育のため東京から引越してこられたご家庭や、母子で移り住み週末だけ県外のご自宅に帰省される方もいらっしゃいます」

太田市内へ転職をしたり、特急で1時間半かけて東京の職場へ通勤したり、子どもの教育のためにお父さんたちもずいぶんと苦労しているそうです。

また、市内すべての小学校にいち早く英語授業を取り入れたのが、鹿児島県鹿屋市の「かのや英語大好き特区」。ゲームや歌、外国人講師とのコミュニケーションを通した授業は子どもたちからも評判で、アンケートではなんと96.8%が楽しかったと返答。卒業生たちが中学校で受けた「英語を聴く力」のテストでは、県平均の正解率76.7%を上回る82.7%という結果が出たそうです。

その他、埼玉県行田市の「のびのび英語教育特区」や岐阜県大垣市の「水都っ子わくわく英語プラン特区」など、全国各地に英語教育に関する特区が誕生。今回の英語必修化にともない特区の認定は取り消されましたが、長年培ってきた指導方法はこれからの授業にも活かされそうです。

そんな元英語教育特区を手本に、独自のカリキュラムを導入する自治体も急増中。日本にいながら“帰国子女”のように英語を身につけられるなら、家族で英語教育の充実した街に引越すのもアリ!?

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