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2013年1月23日 (水)

幼稚園の建築もデザイン性の時代。町田こばと幼稚園の取り組みとは?

幼稚園の建築もデザイン性の時代。町田こばと幼稚園の取り組みとは?

昨年のグッドデザイン賞は、さまざまな建築物が受賞され話題を呼んだ。サステナブルデザイン賞を受賞した「UR賃貸住宅・観月橋団地」は、築50年の団地を先進的なデザインで再生し、若者層からの支持を獲得した。また「にしはらのながや」は、中庭を共有しながら6世帯が生活するというユニークなコンセプトで高い評価を得た。

このように建築関係の受賞が多くみられた昨年のグッドデザイン賞だが、なかでも「神蔵学園 町田こばと幼稚園」は、教育という視点を絡ませながら、独自性の高い広場をつくり、デザイン業界だけでなく教育界でも大きな話題となった。

町田こばと幼稚園では、2011年の園舎の建て替えにあたり、園庭を整備。「魔法のじゅうたん」をキーワードに、半円状の鉄筋コンクリートの壁と鉄骨のテント膜を電動オーニングテントで結んで構築。さらに壁にいくつもの穴を開け、カラーアクリル板をはめ込んだ。この穴に日差しが当たると、地面にさまざまな色の光が落ちる仕組みになっている。俯瞰して見ると、地球を連想させるような印象もあるこの仕組み、どのような理由でつくられたのだろうか? 町田こばと幼稚園にお話を伺ってみた。

「ライフスタイルの変化によって、子どもたちの幼稚園で過ごす時間が長くなりました。そのため、園児にとって幼稚園という空間はひとつの世界です。だからこそ、心を育てる教育を大切にしようと考えました。園庭を例にあげれば、壁をすべったり駆け上ったりするだけでなく、地面に落ちた色を通じて感性に働きかけると共に、童心を育む一助に、色づかいも自然を象徴するものに近づけるよう考えました」

それ以外にも同園では、通年でのプール指導や玄米給食を実施。こうした取り組みもあってか、園児たちは健やかに元気一杯園内を駆け回っているという。

「特に幼児期は未来のための基礎づくりの期間です。町田こばと幼稚園では“つよい心”と“つよい体”というふたつの側面から保育を構成し、多様な経験を通して社会で生き抜く力を養っていきたいと考えています」

デザイン性に富んだ施設も教育のためのもの。好奇心旺盛な子どもにとって、こうした空間での生活は一生の思い出になるに違いない。

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