古民家での田舎暮らしに興味を持っていたところ、北海道厚真町で「厚真町古民家再生推進協議会」が発足したとのニュースが。そこで、大好きなテレビドラマ『北の国から』のような生活を想像しつつ、さっそく調査を開始しました。
厚真町は北海道の南部に位置する人口5000人ほどの小さな町。1870年から開拓された歴史的にはまだ浅い地域なのですが、当時の開拓民の家が今でも数多く残されています。北陸地方から入植した人が多く、富山県、福井県、石川県、それぞれの建築様式の民家があるのも特徴です。
そんな貴重な建物を活かして“まちおこし”をしようと、役場職員や専門家、地元住民による協議会が誕生することになりました。町民の高齢化が進んだことで、取り壊される古民家が増加しているため、今年の7月末から古民家保存のためのルールづくりや、保存物件の選定、空き家の再生などに向けて活動を開始。将来的には古民家を活用して、開拓当時の生活を体験できる施設づくりも構想しているそう。
では実際に、お祖父様の住んでいた築100年の古民家を再生し、2年前から暮らしている斉藤信寛さんにお話を聞いてみました。
「家を残したいという祖父の遺言もあり、定年退職を機会に引越してきたんです。子どものころの思い出が詰まった場所でもありますからね。古民家再生を専門で行う工務店さんに一度建物を分解してもらい、木材を磨き直したんです。さらに、妻と2人で暮らすには建物が大きすぎたので、組み上げる際に70坪あった建物を40坪分だけ復元してもらいました。床板や天井は昔のままにして、外壁、窓は最新技術を使ってます。高気密、高断熱で床暖房も入っているから、冬でも快適なんですよ。オール電化なので光熱費も安上がりで、今の暮らしにまったく不便は感じていません。趣味の農作業をしたり、古民家再生協議会を手伝ったり、のんびりと生活していますよ」
とのこと。『北の国から』とは違い、なかなか優雅に暮らせるんですね。
孫の代まで愛される築100年の古民家は、再生したことで更に100年間は持つという。そんな素敵なマイホームを夢に見つつ、もう少し都会でがんばってお金を貯めようと思ったのでした。