住まいの雑学
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フム山サイモン(Office Ti+)
2011年5月2日 (月)

イザという時の避難設備、その使い方や特徴は?

自宅で地震や火事などの災害にあった時、真っ先に確認するべきは避難経路だ。特にマンションの上層階に住んでいる人にとって、避難はしごなどの設備は生死を分ける大事な要素。
これらは一体、どのような基準で設置されているのだろう? 全国避難設備工業会の黒田さんにお話を聞いた。

「マンションやアパートなどの共同住宅では、2階以上の階で、各階あたりの収容人数が30人を超える場合、避難はしごなどの器具の設置が義務付けられています。その設置箇所は、『二方向避難』と言って、普段使う階段の位置とは正反対の方向に設置することが原則です」

マンションなどの場合、階段から一番遠い部屋のベランダに緊急避難用設備があることが多い。ベランダ間の仕切りは簡単に壊せる作りになっており、火災時に煙などが充満している廊下に出ることなく避難できるようになっている。

では、マンションなどの建物に設置されている避難器具には、どんな種類があるのか。
「ポピュラーなのは緊急避難ハッチですね。そのほかにも緩降機、救助袋などの種類があります」と教えてくれたのは、避難器具メーカー、松本機工株式会社の柴田さん。

緊急避難ハッチとは、主にベランダの床に設置されているもので、中に折りたたまれているハシゴを伸ばすことで、下の階のベランダに降りることができる、という仕組み。

「緩降機は、ワイヤーロープに繋がれたベルトを着用して地上まで降りる器具で、50m近くの高さから直接地上に降りることができます。救助袋は、筒状の袋を広げて、その中をちょうど滑り台のように降りて避難するものです」

前者は高層のオフィスビルなどに、後者は、はしごやロープを使えない人が多い小学校や老人ホームなどに設置されていることが多いとか。もちろん、マンションに設置されているケースもある。

代表的な避難器具を紹介してきたが、本当の緊急時には、これらの設備を使う余裕もないかもしれない。万一に備えて、マンションのベランダに個人で避難器具を設置することはできるのだろうか。

イザという時の避難設備、その使い方や特徴は?

フックをひっかけて使うタイプの避難はしご。備えあれば憂いなし!?

「マンションの管理組合に許可を取れば、個人でもベランダに緩降機や救助袋を設置できます。さらに、組合の許可なしで設置できる設備として、窓枠や手すりにフックをひっかけて使うタイプの避難はしごもありますよ」(柴田さん)
この吊り下げ式の避難はしごは、一般家庭の購入者も多いのだそう。高層マンション用には、緊急避難パラシュートも販売されている。こちらは地上30m以上、マンションなら約10階以上の高さがある場合に使用可能だ。

どうしても不安、という人は、購入を検討してみてはいかが?

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