GIGAOM:PCの時代は終末に向かっています。人々は、コンピューターの使い方を見直し始めており、PCを手放してiPadなどのタブレットに乗り換える人も増えています。

とはいえ、タブレットはまだ完璧ではありません。PCのほうが格段に便利だったり、PCでしかできないこともいくつかあります。今回は、PCの買い替えで迷っている人や、PCからの卒業を考えている人に向けて、タブレットをPCと同等に使いこなすヒントをお届けします。

インターネットのブラウジング

iPadはネットサーフィンに最適なデバイスです。とはいえ、iPadに対応していないサイトもいくらか残っています。あなたがよく利用するサイトがiPadに未対応なら、PCを手放すのは難しくなります。

Adobe Flashへの対応

とくにiPadが苦手とするのがFlashのサイトです。Flashが使われるのは動画だけではありません。Flashが動かないとサイト全体が使えないことも。App Storeに行けば、Flashサイトにアクセスできる「バーチャルブラウザ」が見つかります。『Photon Flash Player』(500円)や『VirtualBrowser for Firefox』(600円)、『Puffin Web Browser』(300円)が有名どころ。こうしたブラウザは、クラウド上でFlashを処理し、結果だけをiPadに送ってくれます。完璧な解決策ではありませんが、回線が十分に速ければ、問題なくFlashサイトを閲覧できます。

モバイルだけを対象としたサイト

サイトによっては、iPadをモバイルデバイスとして扱い、モバイル用のウェブページしか見せてくれないことがあります。「PCサイトを表示」に切り替えればいいのですが、切り替えスイッチを用意していないサイトもあります。ブラウザ側で「user-agent」を切り替える方法もありますが、Appleの『mobile Safari』もGoogleの『Chrome for iOS』も、user-agentの変更を許可していません。そんなときは代替ブラウザを使いましょう。『Mercury』(無料)や『iCad』(200円)、『Atomic』(200円)といったブラウザは、user-agentの切り替えをサポートしています。

「user-agent」とは、ウェブサイトにあなたが使っているブラウザやデバイスの種類を伝える情報のこと。user-agentを切り替えて、こちらのデバイスはモバイルではなくPCなのだとウェブサイトに伝えれば、モバイル用ページではなくPC用ページを表示してくれます。

写真の保管

大量の写真を管理するなら、PCのほうが楽なのは事実。iPadをメインに使っているなら、溜まった写真をどこに保管するか、いつまで保管するかを決めておかねばなりません。

写真を取り込む

デジタルカメラからiPadに写真を取り込むには、30ピンの古いカメラならAppleの『iPad Camera Connection Kit』(3080円)、新しいカメラなら『Lightning to USB Camera Adapter』(3080円)か『Lightning to SD Card Camera Reader』(3080円)が使えます。「Canon S110」や「SX280」のようなWi-Fi対応の新しいカメラなら、ネットワーク経由でiPadに写真を取り込めます。

写真をプリントする

写真をiPadからPCに移動してもいいですが、好きな写真を選んでプリントアウトするのも楽しいですね。アプリを使えばiPadから「Walgreens」や「CVS」、「LifePics」に写真を直接送れます。もしくは、『Shutterfly』、『Snapfish』、『PostalPix』のようなオンラインサービスを使えば、プリントした写真を自分宛てに送れます。4×6の写真1枚あたり0.15ドルから0.35ドルです。どのサービスもiPadアプリから写真を選んで簡単に注文できます。

ファイルの長期保存

iPadの最上位機種でもディスク容量は128GBしかありません。iPadをメイン機にするなら、ファイルの長期保存にクラウドストレージを利用するのが一般的です。

従来型のクラウド・ストレージ

最近のクラウドストレージは、iOSから写真を自動でアップロードできます。DropBoxAmazon Cloud DriveGoogle+はすべて対応。ただし問題はお金がかかること。大抵のクラウドストレージは、無料スペースが16GBほどしかなく、それを越えると、月額料金がかかります。容量がテラバイト単位になると金額も相当です。一方、1テラバイトのハードドライブはその10分の1程度の金額で購入できます。

自分専用のクラウドストレージ

財布にやさしい解決策は、自宅にクラウドストレージを構築することです。Drobo社は、インターネットからアクセスできるホームネットワーク・ストレージ製品「Transporter」を販売しています。この製品を使ってハードドライブをホームネットワークに接続すれば、どこにいてもiPadからドライブにアクセスできます。ホーム・クラウドストレージ製品としては、Western Digital社の「My Cloud」、LaCie社の「CloudBox」、D-Link社の「ShareCenter」、Seagate社の「Central」、ZyXEL社の「Polkast」などがあります。こうした製品を利用すれば、ストレージにかかるコストは1GBあたり0.03~0.08ドルまで抑えられます。

ファイルへのアクセスと閲覧

どのクラウド・ストレージサービスも、iPadでファイルの閲覧や管理ができる専用アプリを持っています。そのほかにも、ひとつで複数のサービスを扱えるファイルマネージャもあります。

ファイルマネージャ

私(筆者)は『GoodReader』(500円)を使っています。このアプリを使えば、さまざまなオンラインストレージに置いてあるファイルを一元的に扱えます。サーバー間のファイルの移動や、デバイスとサーバーの間でのファイルのアップロード、ダウンロードなどが可能。『Documents by Readdle』(無料) や『iFiles』(400円)も同様の機能を備えています。

パーソナルメディアライブラリー

AmazonGoogleAppleは、パーソナルなメディアライブラリを構築できるサービスを提供しています。また、ホームネットワーク・ストレージに構築したメディアライブラリにアクセスするなら、『nPlayer』(500円)が使えます。あらかじめ楽曲をプレイヤーにダウンロードしておき、オフラインで再生することも可能です。

How to replace your old computer with a new iPad|GIGAOM

Geoffrey Goetz(訳:伊藤貴之)

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