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西村 祥子
2011年6月3日 (金)

一戸当たり最大40万円!広島県産木材の住宅助成枠拡大

木材の供給のためだけでなく、CO2を吸収したり、地下に水を貯えたりと、環境の面からも、私たちの生活になくいてはならない森。しかし、戦後、安い輸入木材が多く供給されるようになると、国内には手つかずの森が増え、森を健全に保つことが難しくなってきた。

広島県でも同様の問題がおこり、その対策のため、広島県では「ひろしまの森づくり事業」を推進。その事業の一環として行われているのが、家を建てるときに広島県産の木材をもっと使ってもらおうという活動だ。広島で多くの木造住宅を取り扱う山根木材の正國さんは、
「住宅に地元産の木材を使用することで、地元の森の活性化を図ることができる」という。
「例えば、木々がCO2を吸い取ってくれることはよく知られていますが、実はその吸収量は、成長しきった木よりも、成長段階の木のほうが多いんです。成長した木を木材として伐採し、新たに木を植えることで、循環が生まれ、森を健全に保つことができるわけです」。
また、「木は切り倒された後も生き続けているといわれます。それは住宅になっても同じ。広島で育った木を広島の家づくりに生かせば、広島の気候になじみやすい家になります。輸入木材などに比べて、輸送コストや輸送にかかるCO2排出量も抑えられるので、本当の意味での環境共生型の家づくりが実現できるわけですね」と、広島県産木材を使った家づくりを推進する。
一戸当たり最大40万円!広島県産木材の住宅助成枠拡大
さらに広島県には、県産木材を使って一戸建て木造住宅を新築又は購入する場合、その使用比率に応じて、県が費用の一部を助成してくれるうれしい制度がある。しかも、助成額は一戸当たり最大40万円と高額。

しかし、お得な制度ゆえ、やはり応募数は多く、平成22年度は250棟(募集金額1億円)の枠に対し、約360棟の応募があり、抽選漏れの確率も高かった。そこで平成23年度、広島県はこの助成枠を1億2000万円まで拡大。加えて、主要構造部材における県産材の使用比率に応じて助成金額を2段階(全体の60%以上の使用で30万円、70%以上で40万円)にすることで、より多くの住宅に対して助成を行いたい考えだ。

森にやさしく、家計にもやさしいお得な助成制度。募集枠を超えれば全体で抽選となるので、必ず助成金がもらえるというわけではないが、広島で「木の家を建てたい」という人は検討の価値ありだ。

助成金の募集期間や募集枠は下記の通り。
一戸当たり最大40万円!広島県産木材の住宅助成枠拡大

応募にあたっては、物件の条件を満たすことや、県産木材の証明書提出なども必要になるので、詳細については以下のページを参照の上、不明な点は問い合わせを。

■広島県ホームページ内での広報
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/page/1245638186023/index.html

■助成制度問合せ先
広島県農林水産局 林業課 電話:082-513-3688

■取材協力
山根木材株式会社 電話:082-254-3236
http://www.yamane-m.co.jp/

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