住まいの雑学
切実!保育園に入れない問題
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2013年4月1日 (月)

認可保育園に入れる裏ワザって? 保育情報アドバイザーに聞いた

認可保育園に入れるためのいい方法はないのだろうか?(写真: iStockphoto / thinkstock)
写真: iStockphoto / thinkstock

子どもを保育園に預けたくても預けられない「待機児童」の問題が深刻化している。国が把握しているだけでも、待機児童の数は平成23年4月時点で2.5万人を超えており、潜在的な待機児童の数は80万人以上ともいわれる。働きたくても働けない、というママたちは後を絶たない。

保育園には、国が定めた条件を満たし補助を受けられる「認可保育園」と、それ以外の「認可外保育園」の2つがある。認可保育園の大きなメリットは、保育料が安いということ。認可外保育園に通う場合、保育料の一部を補助する自治体もある。しかしそれを考慮しても、保育料が安い・保育士の数が多い・園庭が広いなどの利点から、やはり「認可保育園に入れたい」と強く望む親が圧倒的に多いのが実情だ。

両親がフルタイムで働いている、近所に頼れる両親・親戚がいないなど、保育園の必要性が高い家庭が優先されることも関係し、認可保育園に入れるのはかなりの狭き門。今回はそんな待機児童問題について、保育情報アドバイザーの三木育美氏に話を聞いてみた。

「保育園に関する苦労話はさまざまです。例えば、『保育園、認証園、保育ママなどを探したが、どうしても区内で預けることができず、区外の無認可保育園に預けなければならなかった』というケースがあります。また、『あえて1月ごろから職場復帰をして無認可園に預けておき、4月から認可保育園に入園できるようにした』というのはよくある話。子どもが2人以上のご家庭の場合、上の子と下の子が別々の保育園になってしまった事例もあります。転園申請をしても、結局卒園まで転園できなかったそうです」

このようなエピソードはまだマシな方で、最近では保育園に入れるために、偽装離婚をする家庭もあるという。果たして、認可保育園に入れるためのいい方法、例えば裏ワザのようなものはないのだろうか。三木氏はこう語ってくれた。

「裏ワザとまではいきませんが、例えば、年明けごろから週に数日間仕事に復帰して、預かり保育やベビーシッターなどを利用し、『保育の必要性』をアピールするというのは有効です。ほかに、効果のほどは分かりませんが、保育園入園の申し込み時に、認可保育園に入る必要性を説いた陳情書を付けて提出する、こまめに役所に行き常に空き状況を確認するなどといった方法もあります」

また、三木氏が提案するのが「保活(保育園に入るための活動)」だ。

「保育園に子どもを入れるためには、ただ書類を自治体に提出するだけではダメ。就職活動と同じで、しっかりと計画を立てて活動することが大切です。まず、子どもを妊娠したらすぐに、保育所リサーチをはじめること。それも、自分が住んでいる市区町村だけではなく、近隣の市区町村も視野に入れたほうがベター。これは、自治体によって保育環境が大きく違うからです。例えば、品川区は第二子枠というものがあり、第一子が認可保育園に通っている場合、第二子も優先的に認可保育園に入れます。これを知っていれば、将来子どもが2人欲しいと思っている家庭は、品川区への引越しを考えるかもしれません」

保育園入園に向けた戦いは果てしない。杉並区や足立区では、保育園入園が叶わなかった母親たちが区に対して抗議活動をするなど、待機児童問題熱は激化する一方。その反面、横浜市のように待機児童対策で大きく前進している自治体もある。行政任せにするのではなく、保護者側も、自分たちの生活スタイルや将来像をしっかりと見据えて、保育園対策を考える必要がありそうだ。

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切実!保育園に入れない問題 待機児童をはじめとして、子どもを預けたいママにとって切実な保育園事情。行政の取り組みや、新しくできた認定こども園、保育ママなどを紹介。
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