Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

“一緒にバカになることはやめましょう”

2013-05-26 16:49:57 | 日記

部屋の整理をしてたら、むかしの新聞の切り抜きがでてきた。
ぼくはもうずいぶん前から新聞購読をやめてしまったが(いつ?)、購読していた頃は、このブログ(あるいは前のDoblog)に新聞記事の紹介や批判を書いていた。
だからこの記事も(ひょっとして)引用したことがあるかもしれない。
この記事が掲載されたのは2005年の1月で、その文章はマンハッタンという島に暮らした二人の“亡命者”へささげられているが、その一人が発した“But let’s not be stupid together”という言葉は、この2013年の、この島においても、ふさわしいものに思えた;

★ マンハッタンの南端近くの、かつては「双子の塔」のかげにあった、静かな横丁の小さな本屋に、「スーザン」という客は姿を見せなくなった。そして、幼少時のパレスチナの記憶を抱えてマンハッタンの道を歩いていた亡命批評家もいなくなった。ソンタグの死とサイードの死によって、あのマンハッタンのIQは1点も2点も下がった。何かの抑制が効かなくなったという感じが、その分、さらに深まった。

★ 膨大な権力に、ことばを武器にして対抗する批評そのものが、世界が批評を最も必要としている時代に、弱まった。

★ 21世紀の破壊の、その原因については、“But let’s not be stupid together”、「しかし一緒にバカになることはやめましょう」ということばが、マンハッタンの、その破壊の現場のすぐ近くで、書かれた。

★ もしかしたら「スーザン」自身が想像していた以上のインパクトをもって、そのことばが今、残るのである。

<リービ英雄“スーザンが残した言葉”(朝日新聞2005/1/23)>







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