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連載先輩ママに聞く、マイホーム購入
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長谷井 涼子
2013年7月1日 (月)

住宅購入後の家計の変化。苦しくなった人とそうでない人の分かれ目は?

写真: iStockphoto / thinkstock
写真: iStockphoto / thinkstock

ここ6年以内に、住宅を購入したママ2038人にウィメンズパーク(ベネッセコーポレーション)と共同でアンケート調査を行ったところ、親から援助をもらった人のうち、約8割が「親から申し出があった」という結果に。(https://suumo.jp/journal/2013/06/17/45994/)
一方、以前の記事では、「当初の予算より購入額は増えましたか?」の結果に、半数以上が「増えた」と答えています。(https://suumo.jp/journal/2012/11/21/33471/)

親から援助をもらえた結果、予算が増えたという人も多いでしょうが、当初の予算をオーバーした結果、家計がどうなったかも気になる話。
今回は、購入後に家計はどうなったか、家計が苦しくなる人とそうではない人の違いは何なのか、ママを対象にしたアンケートデータをもとに、それぞれの事情について探ってみました。

購入後の家計、「変化なし」が半数、「厳しくなった」人が3分の1

「ローン返済が始まってみて生活にどのような変化がでましたか?」の質問に対する回答の結果が以下のとおり。(図1参照)

【図1】ローン返済が始まってみて生活にどのような変化がでましたか?

【図1】ローン返済が始まってみて生活にどのような変化がでましたか?

約半数が「経済的に特に変化はない」と答えていますが、「やや厳しくなった」「経済的にかなり厳しくなった」と答えている人が約36%もいます。

コメントでも「繰り上げ返済をする余裕がない」「2人目妊娠で退職。家計が苦しくなった」などの声が多く見られました。その一方、「無理をしない予算で組んだので大丈夫」「繰り上げ返済をしてなるべく早く返す予定」という人もいます。

では、その違いはどこから出てくるのでしょうか?

借り入れ金額が多いほど、「購入後の家計は厳しい」

自己資金別のデータが以下のとおり。「経済的に厳しくなった」と答えている人の割合が、自己資金が100万円未満なら半数近くですが、自己資金が1500万円以上なら約2割に下がります。(図2)
当然、自己資金額が少なければ、借り入れ金額が増え、ローン負担が家計を圧迫するでしょう。

ちなみに、借り入れ倍率(借りたローンの総額が、年収に対して何倍か)別にみると、倍率が高くなるほど、「経済的に厳しくなった」と答えている人が増え、借り入れ倍率が8倍以上になるとなんと約7割が「厳しい」と答える結果になりました。(図3)

当然のことですが、自己資金が少ない上に背伸びした高額なローンを組むと、購入後に家計は厳しくなることが、データで証明された形になりました。

【図2】「経済的にやや厳しくなった」「かなり厳しくなった」と答えた人の割合 自己資金別

【図2】「経済的にやや厳しくなった」「かなり厳しくなった」と答えた人の割合 自己資金別

【図3】「経済的にやや厳しくなった」「かなり厳しくなった」と答えた人の割合 借り上げ倍率別

【図3】「経済的にやや厳しくなった」「かなり厳しくなった」と答えた人の割合 借り上げ倍率別

購入後の家計の不安は「金利上昇」「収入減」「教育費増加」の3つ

また「購入後の家計に関して、どんな不安をかかえているか」についての自由回答もみてみましょう。大きく分けて3つあるようです。

ひとつは金利上昇に関する不安。特に最近はアベノミクスの影響で、長期金利の引き上げが話題に。「金利上昇に備えて固定に変えたほうがいいと思うけど、金利が高い」、「3年固定にしているので4年後が怖い」などの声が多く見られました。
実際に、超低金利の変動金利でローンを組み、毎月の返済額がすでにギリギリという人は多いはず。そんな人は金利上昇のニュースに戦々恐々としているでしょう。

2つめは、収入に対する不安。「今年から夫の手当カットや、残業に制限がでるなど、年収ダウンは避けられないので不安」「出産で私が退職。夫ひとりの収入で返済することになり、厳しい」など、夫の収入ダウンや自分の退職により、家計が苦しくなっているようです。

3つめは、子どもにかかる支出の増加。「子ども2人の幼稚園代で、生活に支障が出そう」「今でも厳しいのに、将来ちゃんと習い事や塾代が払えるのかと不安」「大学までの教育資金を貯める余裕がない」など、「今、大変」というより、将来を考えて不安になってしまっているようです。

このように、念願のマイホームを手に入れて満足な半面、お金に関する不安は付き物。そうならないためにも無理のない資金計画を心がけましょう。

次回は、購入後の家計の変化に対し、「妻」がどんな対処法を実践しているのかについて紹介します。

ウィメンズパーク 住まいミル 『住まい購入のお金事情』調査概要
■調査期間: 2012年9月21日(金)~2012年9月29日(土)
■調査方法: インターネット調査
■集計対象: 『ウィメンズパーク』会員のうち、2006年1月以降に住宅購入の経験のある25~49歳の既婚女性2038名
(25~29歳:217名、30~34歳: 727 名、35~39歳:740名、40~44歳:330名、45~49歳:24名)
※%を表示する際に小数点第2位で四捨五入しているため%の合計が100%と一致しないことがあります。
※株式会社ベネッセコーポレーションの運営する女性向けコミュニティサイト『ウィメンズパーク』と株式会社リクルート住まいカンパニーの運営する不動産・住宅サイト『SUUMO』は、2012年10月31日(水)より、住まいの情報提供での連携をスタートしました。
ウィメンズパーク「住まいミル」コーナー
HP:http://women.benesse.ne.jp/sumai/
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