ここ6年以内に、住宅を購入したママ2038人にウィメンズパーク(ベネッセコーポレーション)と共同でアンケート調査を行ったところ、親から援助をもらった人のうち、約8割が「親から申し出があった」という結果に。(https://suumo.jp/journal/2013/06/17/45994/)
一方、以前の記事では、「当初の予算より購入額は増えましたか?」の結果に、半数以上が「増えた」と答えています。(https://suumo.jp/journal/2012/11/21/33471/)
親から援助をもらえた結果、予算が増えたという人も多いでしょうが、当初の予算をオーバーした結果、家計がどうなったかも気になる話。
今回は、購入後に家計はどうなったか、家計が苦しくなる人とそうではない人の違いは何なのか、ママを対象にしたアンケートデータをもとに、それぞれの事情について探ってみました。
「ローン返済が始まってみて生活にどのような変化がでましたか?」の質問に対する回答の結果が以下のとおり。(図1参照)
約半数が「経済的に特に変化はない」と答えていますが、「やや厳しくなった」「経済的にかなり厳しくなった」と答えている人が約36%もいます。
コメントでも「繰り上げ返済をする余裕がない」「2人目妊娠で退職。家計が苦しくなった」などの声が多く見られました。その一方、「無理をしない予算で組んだので大丈夫」「繰り上げ返済をしてなるべく早く返す予定」という人もいます。
では、その違いはどこから出てくるのでしょうか?
自己資金別のデータが以下のとおり。「経済的に厳しくなった」と答えている人の割合が、自己資金が100万円未満なら半数近くですが、自己資金が1500万円以上なら約2割に下がります。(図2)
当然、自己資金額が少なければ、借り入れ金額が増え、ローン負担が家計を圧迫するでしょう。
ちなみに、借り入れ倍率(借りたローンの総額が、年収に対して何倍か)別にみると、倍率が高くなるほど、「経済的に厳しくなった」と答えている人が増え、借り入れ倍率が8倍以上になるとなんと約7割が「厳しい」と答える結果になりました。(図3)
当然のことですが、自己資金が少ない上に背伸びした高額なローンを組むと、購入後に家計は厳しくなることが、データで証明された形になりました。
また「購入後の家計に関して、どんな不安をかかえているか」についての自由回答もみてみましょう。大きく分けて3つあるようです。
ひとつは金利上昇に関する不安。特に最近はアベノミクスの影響で、長期金利の引き上げが話題に。「金利上昇に備えて固定に変えたほうがいいと思うけど、金利が高い」、「3年固定にしているので4年後が怖い」などの声が多く見られました。
実際に、超低金利の変動金利でローンを組み、毎月の返済額がすでにギリギリという人は多いはず。そんな人は金利上昇のニュースに戦々恐々としているでしょう。
2つめは、収入に対する不安。「今年から夫の手当カットや、残業に制限がでるなど、年収ダウンは避けられないので不安」「出産で私が退職。夫ひとりの収入で返済することになり、厳しい」など、夫の収入ダウンや自分の退職により、家計が苦しくなっているようです。
3つめは、子どもにかかる支出の増加。「子ども2人の幼稚園代で、生活に支障が出そう」「今でも厳しいのに、将来ちゃんと習い事や塾代が払えるのかと不安」「大学までの教育資金を貯める余裕がない」など、「今、大変」というより、将来を考えて不安になってしまっているようです。
このように、念願のマイホームを手に入れて満足な半面、お金に関する不安は付き物。そうならないためにも無理のない資金計画を心がけましょう。
次回は、購入後の家計の変化に対し、「妻」がどんな対処法を実践しているのかについて紹介します。