ここ6年以内に、住宅を購入したママ2038人にウィメンズパーク(ベネッセコーポレーション)と共同でアンケート調査を行ったところ、「住宅購入後に家計はどうなったか」の質問に、約3分の1の人が「厳しくなった」(https://suumo.jp/journal/2013/07/01/46675/)と答えるという結果に。
そこで今回は、アンケートデータやコメント、さらには著者が独自で集めた生の声をもとに、住宅ローン返済のため、家計のために、ママたちがどんな努力をしているのか探ってみました。
「購入後、家計の厳しさを緩和するために工夫している(した)ことはなんですか?」のランキングは以下のとおり。
アンケート結果から、食費、衣服費、光熱費、レジャー費用などの支出を抑えていることが分かります。
「夫にお弁当をもたせることで、昼食代を抑えるように」「毎週末の外食を控える」「洋服はほとんどファストファッション」「節電・節水に心配りをする」「年に1度の家族旅行を近場に」など、さまざまな工夫をしているようです。
3姉妹のママTさんは、「家の建築費用がついオーバーしてしまったことで、“家計を引き締めなきゃ”という意識が働き、無駄な支出をしなくなりました。かといって、無理をしているほどでもないので、逆に健全な家計になった気がします」と、前向きにとらえているそう。
ほかにも購入を機に「家計簿をつけるようになった」というコメントもありました。
また、おもしろいのが、お小遣いはまずは夫より自分のほうを抑えるママが多かったということ。2歳と5歳の男の子を持つSさんは「そもそもあんまり夫はお金を使わないので、夫のランチ代や付き合い代など最初から削りにくい額だったんです。その点、私は、ついつい使っちゃうほうなので、まずは私のほうから」と考えたそう。ただし、その一方、「夫が残業して頑張ってくれるしかない」というママもいました。
もちろん、家計の見直しも大事ですが、収入を確実に増やすことも家計の健全化には有効。「自分も働きに出ることにした」というケースは24%。ランキングでは10位ですが、4人に1人の計算になります。
しかし、コメントをみると、実際は潜在的に働きたいニーズはそれ以上に高いよう。
「いずれ家計がもっと厳しくなったら働かないと、と思うが、子どもを預けなくても働ける仕事はなかなか見つからない」「今は育児休暇中だが子どもが保育園に入れるか心配」という声などがありました。
4歳の息子を持つFさんは、「子どもが幼稚園に入ったら働こうと思っていたが、実際そんな勤務時間が短い仕事で事務の仕事は見つからなかった」そう。「子どもが大きくなったら働きたい」というニーズは高いものの、ママの「育児中心にゆるやかに働きたい」というワークスタイルは、実現が難しいようです。
また、今働いているママの現状も楽ではりません。5歳の息子と3歳の娘を持つワーキングマザーであるHさんのように「住宅ローンのために働かないといけないと思いつつ、子育てと仕事と家事を両立させるのは超ハード。実家も遠いので誰にも頼れず子どもが病気のたびに休んでいたからか、前の仕事は契約を終了されてしまいました」というケースもある。
では逆に「いくら家計が厳しくなってもこれだけは削れない」とママが思っているものはなんでしょうか? 「購入後、家計の厳しさを緩和するために工夫している(した)ことはなんですか?」の質問の回答を、削れない項目を明らかにするために、割合の低い回答からランキングしてみました。
結果をみると、「冠婚葬祭」に関する支出はもちろん減らせませんが、「学資保険の見直し」「子どもの教育費」など、子どものための支出もなかなか減らせないようです。むしろ幼稚園に入園したり、習い事をさせるなど、子どもの教育費は上がる一方なので難しいのでしょう。
また年に1~2回程度の「帰省」のための支出は、頻度が少ないだけに減らすことが難しいといえそうです。
「特に工夫している(した)ことはない」と答えている人はわずかに6.1%いましたが、多くのママたちが、何かしらの家計のやりくりの工夫をしているといえそうです。
このように、マイホーム購入は無駄な家計の支出を削る、いい機会になるとともに、妻の働き方、仕事再開を模索するきっかけにもなるようです。住宅購入を機に、「うちならどんな工夫が出来るか」を考えてみるのもいいかもしれません。