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福島第一原子力発電所の状況について(日報)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時現在】

平成26年4月19日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※4月16日午後0時19分頃、多核種除去設備(ALPS)において、高性能容器(HIC)からオーバーフローしていることを協力企業作業員が発見。またこれに伴い、同日午後0時36分頃、多核種除去設備(ALPS)において、「クロスフローフィルタ*1Aスキッド2近傍タメマス*2漏えい」警報が発生。現場調査の結果、多核種除去設備(ALPS)側の吸着塔から吸着材2用HICに、ろ過水を注入して吸着材を送り出す作業中、HICから吸着材とろ過水の混合物がオーバーフローしたものと推定。漏えいはジャバラハウス内の堰内にとどまっており、その後、仮設の移送ポンプを停止したことにより、同日午後1時24分にオーバーフローが停止したことを確認。なお、協力企業作業員の身体に放射性物質の付着はなく、設備の損傷等の異常は確認されていない。また、モニタリングポストおよびダストモニタの指示にも有意な変動は確認されていない。
オーバーフロー箇所および雰囲気の線量測定を実施した結果は以下のとおり。
・表面線量率  70μm線量当量率(ベータ線) 0.2mSv/h
 1cm線量当量率(ガンマ線)  0.008mSv/h
・雰囲気線量率 70μm線量当量率(ベータ線) 0.3mSv/h
 1cm線量当量率(ガンマ線)  0.03mSv/h
 詳細に現場を確認した結果、オーバーフロー範囲は約6m×約6m×3cm*3であり、漏えい量は約1.1m3と判断。
本件は当該作業に従事していた作業員への聞き取りにより、多核種除去設備(ALPS)(B)系の吸着塔3Bから吸着材(メディア)用のHICへ吸着材を排出する作業において、HICの水位監視を担当する作業員が配置されていない状況で移送を開始したことが原因であった。

【聞き取り内容】
吸着材を排出する作業員Aは、HICの水位監視およびHIC用脱水ポンプの操作を担当する作業員Bが配置されていると思い込み、HICの液位が上昇した際には作業員Bより連絡があると考えていた。また、作業員Bは、別の作業に従事しており、吸着塔3Bの排出作業前には作業員Aより連絡があるものと考えていた。

上記のことから本件の対策は以下のとおり。
・関係者全員による安全事前評価を実施。
・元請け工事担当者は、TBM-KYにおいて人員配置確認を記録用紙を用いて実施。
・当社工事管理員は、全員参加のTBM-KYや記録用紙を用いた人員配置確認が実施されていることを、TBM-KYへの参加やKYシートの受領等により継続的に確認。
・仮設ホースの接続先を、HICの液位高で作動する遮断弁の上流側へ配置。
・仮設ホースを通した堰の貫通スリーブについて、漏えい拡大防止の観点から止水処理を行う。
なお、当該作業については、以上の対策を実施したうえで4月19日より再開。

*1 後段の吸着塔でストロンチウム吸着を阻害するイオン(マグネシウムやカルシウム等)の炭酸塩を除去するフィルタ
*2 オーバーフローした水を集水する設備
*3 「約6m×約6m×3m」と記載しておりましたが、正しくは「約6m×約6m×3cm」です。お詫びして訂正させていただきます。

※多核種除去設備(ALPS)では、汚染水処理設備にて処理した廃液を用いた試験(ホット試験)を行っており、A系については3月25日午後4時3分に運転を再開し、C系については同日午後4時5分に運転を再開したが、本日(3月27日)午前10時28分、A系のブースターポンプ*1の出口側で採取した水が白濁していることを確認。このため、A系について同日午前10時42分に処理運転から循環待機運転に切り替えを実施。その後確認できた状況等はクロスフローフィルタ(CFF)7Aの分解調査を実施したところ、Vシール(テフロン製)に微小な傷を確認するとともに、脆化傾向があることを確認したことから、炭酸塩スラリーが下流側に流出したものと考える。CFF-7A、8Aについては、新規品との交換を実施。なお、スラリー流出による影響は、吸着塔4A入口まで確認されていることから、洗浄を実施。洗浄が完了次第、A系統の処理運転を開始する予定。
* ブースターポンプ:鉄共沈処理(有機物の除去、α核種の除去)や炭酸塩沈殿処理などをした水を吸着塔へ送るポンプ

※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として、地下水バイパス設備の設置工事および地下水の水質確認を行ってきたが、現状における地下水の水質確認を行うため、4月9日午前10時29分から午前11時24分にかけて揚水ポンプを順次起動し、試験的に地下水バイパス揚水井から地下水の汲み上げを開始。試験的に汲み上げた地下水は、一時貯留タンクに貯留した後、水質確認を行う。4月15日に採取した地下水バイパス一時貯留タンク水のガンマ核種および全ベータの放射線濃度については、当社分析結果および第三者機関分析結果共に検出限界値未満。また、トリチウムの分析結果については、当社分析結果では250 Bq/L、第三者機関分析結果では240 Bq/Lで同等の値であった。今回の分析結果は、すべて運用目標値を満足していた。引き続き監視を継続。なお、一時貯留タンクに貯留した地下水については、試験運転中における海への排水は実施しないこととしている。

《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年4月18日午後4時39分~)

《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年4月18日午後4時6分~)

《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

《焼却工作建屋の水位、焼却工作建屋西側サブドレン水の分析結果》
※4月13日、集中廃棄物処理施設4カ所(プロセス主建屋、高温焼却炉建屋、サイトバンカ建屋、焼却工作建屋)のうち、3カ所間において、通常使用していない以下の滞留水移送ラインに設置してある仮設ポンプ(4台)が運転中であり、焼却工作建屋地下1階の全域に滞留水が広がっていることが確認されたことから、常設水位計による常時監視ならびに、焼却工作建屋西側のサブドレン水の分析を強化中。
<最新の集中廃棄物処理施設各建屋水位>
各建屋内の滞留水の深さについては、常設水位計による監視において、プロセス主建屋への移送後の水位と比較し、焼却建屋では0.2cmの上昇。工作建屋では水位に変化はなかった。引き続き監視を継続。
4月19日午後2時現在の各建屋深さ
・焼却建屋:深さ17.8cm(4月14日移送停止後と比較し、0.2cm増)
・工作建屋:深さ5.0cm(4月14日移送停止後と比較し、変化なし)

<最新のサブドレン水サンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
4月18日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。

<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
4月18日に初めて採取した1~4号機タービン建屋東側の地下水観測孔No.3-2の測定結果は以下のとおり。
<地下水観測孔No.3-2の測定結果:4月18日採取分>
・セシウム134:  3.9 Bq/L
・セシウム137:   11 Bq/L
・全ベータ   :2,200 Bq/L
その他については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、地下水バイパス揚水井No.1~4、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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