さとり世代の特徴10選!良い関係を築く付き合い方を紹介

さとり世代と呼ばれる人々が社会に出始めてから、およそ10年程になります。昨今、「さとり世代と上手く付き合うことが出来ない」「何を考えているのか分からない」という声をよく耳にします。

そもそも、さとり世代という言葉、さとり世代の特徴などを正確に説明できる人がどれだけいるでしょうか。何となくさとり世代という言葉を使っている人がほとんどでしょう。

以下、さとり世代についての基礎知識や特徴、また上手く付き合っていく方法を解説していきますので、正しい知識と方法で身の回りのさとり世代の人々と付き合っていきましょう。

さとり世代の基礎知識

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さとり世代とは、一般に「欲がない」世代を指した言葉で、2013年の流行語大賞にノミネートされたことで一気に有名になった言葉です。「まるで悟りを開いているかのようだ」ということからこのネーミングとなりました。

物欲、金銭欲、権力欲、色欲、など若いうちは誰でも当然のように持っているであろうと他世代に考えられていた欲求に対してさとり世代は関心があまりありません。彼らは競争や対立、面倒ごとを避け、平穏を望み、質素で精神的安定を求める傾向にあります。

さとり世代に値する年代

さとり世代は一般に1987年~2004年辺りに生まれた世代の事を指します。ゆとり世代の次の世代と言われたりもしますが区切りは曖昧で、実際はゆとり世代とさとり世代の年代はほとんど同じ年代を指しています。 
ゆとり教育の影響を強く受けているのが1987年~1996年生まれで、それ以降に生まれたゆとり教育の影響を受けていない世代も合わせて、包括的にさとり世代と呼ばれているのが現状のようです。

さとり世代の意味・由来

さとり世代という言葉はもともとインターネット上で使われ始めた言葉で、明確な定義はありません。
具体的には「恋人を欲しない」「車に興味がない」「旅行に行かない」「出世欲がない」「ブランド品に興味がない」など、欲望や煩悩を持たず、まるで悟りを開いているかのような若者を指す言葉として使われ始めました。

さとり世代が誕生した原因

さとり世代が誕生した要因は生まれた時代背景にあります。まず、さとり世代はバブル崩壊やリーマンショックによる不況、阪神淡路大震災や東日本大震災などの大きな災害に見舞われた苦境の時代を幼少期に経験しています。受験や就職においての困難な状況や、リストラ、社会を揺るがすような災害を見続けた彼らは自らの欲望を満たすことよりも安定や平穏を望むようになったと言われています。
また、この時代は高度経済成長期やバブルを経たことにより、生まれた頃から様々なモノやサービスに恵まれていた時代でもあります。生まれた頃から暮らしに不自由がなかったこともさとり世代を形成した一つの要因でしょう。
様々なモノやサービスの中で最も影響力が大きい要因が、この時代に急速に普及したインターネットサービスです。手軽に様々な情報を手に入れることが出来るようになり、多くの情報に触れるうちに現実的な生き方を選択するようになったのです。

さとり世代に多く見られる特徴10選

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さとり世代の理解を深めるためには、まずさとり世代には共通する特徴や考え方を知っておく必要があります。以下で代表的な特徴を10種類紹介するので、参考にしてください。

特徴1|お金より時間・生活の質を重視する

不況の時代に育ち、就職氷河期にあがく大学生を見てきた彼らの中には「努力は必ず報われる」という言葉を疑っている人が数多くおり、むしろ人並で良いというムードさえ漂っています。
テストで良い点数を取ることや、大企業に勤め良い収入を得ることよりも自分の時間を大切にします。これが、さとり世代の一番の特徴と言えるかもしれません。

特徴2|現実主義!無駄はできる限り省く

高価で新しいものを多く持つことが一種のステータスだった時代とはうって変わって、現代はブランドなど気にせず必要なものさえあれば良い、というミニマム嗜好の人が増えています。

さとり世代にも、そういう人が少なからず存在します。目立つのが苦手で自分を飾り立てたりしないので、無駄な出費はほとんどありません。

特徴3|情熱がない

さとり世代は一般的な人に比べて、ものごとに対する情熱が少ない傾向があります。本当に自分がこころから熱中するものに強い関心を示すことはありますが、関心がない領域で全力を出すことを避けたいと考えます。

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特徴4|インターネットに依存しやすい

さとり世代は常に合理的な判断をしようとします。

そのため、インターネットショッピングや動画サービス、チャットツールなど、自宅にいても何不自由なく生活ができるのであれば、わざわざ外出する必要はないと考えるのです。インターネットに依存しているというよりは比較をした結果、ネット中心の生活を選んでるといった方が正しいのかもしれません。

特徴5|家で過ごすことが多い

さとり世代の多くは、休日自宅でのんびり過ごすことを好みます。普段人前では良いイメージの自分を演じており、休日くらいは思う存分自然体でいたいのです。外食も基本的には控え、食事は家にあるもの、あるいはデリバリーで済まします。
また、彼らは幼少期よりインターネットに触れていた経験が多いので、家の中でもインターネットによって十分楽しめる方法を知っていることも自宅を好む理由となっています。

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特徴6|目立つことや自己主張が苦手

さとり世代は目立つことにほとんどメリットを感じず、むしろ目立つことのデメリットを圧倒的に感じています。
例えば、学校や職場などのコミュニティーの中で目立つことによって人から疎まれたり、人と対立したり、人間関係がややこしくなるような事を避けようします。また、衝突や対立を避ける為に必要以上に自己主張をしようとはしません。

特徴7|ストレスフリーな生活を追求する

さとり世代が最も重視することはストレスがかからないことです。もちろん裕福になることに抵抗があるわけではありませんが、「有名企業に就職する」「出世する」「お金持ちになる」「理想の異性と結婚する」ためには努力し、様々な困難に耐えなければいけないことを面倒に感じています。
彼らはそのような欲望を達成するよりも、結果は人並でも良いので、ストレスのない生活や人生を送ることを望んでいるのです。

特徴8|面倒事は過程より結果を求める

さとり世代は、何かに取り組む時に過程よりも結果を重視します。それなりの結果をより早く、比較的楽に出せる方法を選ぶのです。
これは、合理的思考の強い彼らの大きな特徴の一つで、物事の過程においての努力や経験をあまり重視しないのです。面倒な物事であるほど、結果の方を求めて過程を軽視してしまう傾向にあります。

特徴9|恋愛への意識が低い

さとり世代は恋愛に対する感度がかなり低い傾向があります。というのも、恋愛は彼らが利用とするストレスフリーの生活を脅かす危険があるためです。近い距離に人がいれば衝突も起きますし、自分が譲らなくてはいけないことだってあります。

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特徴10|八方美人!意外にコミュ力は高い

さとり世代は人見知りかと思いきや、実は人に合わせるのが実は得意です。トラブルが嫌い、面倒な人間関係も避けようとするので、亀裂が生まれないようにうまく付き合おうします。

一方で深く関わろうとはしないので、誰にでも表面上良い顔をする八方美人と評価されることも少なくありません。

さとり世代の後輩と会社で良い関係を築く方法

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他世代の人がさとり世代の人と良い関係を築くには、さとり世代の性格を理解して行動する必要があります。
さとり世代が生まれた原因や、特徴に関しては上記にてご理解いただけたかと思います。最後に、さとり世代への具体的な接し方をお伝えしますので、さとり世代との円滑な関係を築き、より良い職場環境などのコミュニティーを作っていく為に、是非、実践してみて下さい。

その1|プライベートなことを詮索しない

個人主義の強いさとり世代は、プライベートを大事にしていますので、詮索されたり干渉されることを非常に不快に感じます。たとえ、職場の飲み会であっても終業後は彼らにとってプライベートな時間です。無理に誘ったり、欠席の理由を詮索しないようにしましょう。
また、休日の過ごし方やプライベートの人間関係などの質問は慎重に行うようにして下さい。必要ないのであれば、仕事以外の話は極力避けるのが無難でしょう。

その2|アドバイスは論理的に話す

合理的な思考を持つさとり世代に、抽象的なアドバイスや、精神論はほとんど効果をなしましせん。まして感情的に怒鳴るなどは論外です。

「もっと高い意識をもって仕事に取り組め。」「気持ちで負けているからダメなんだ。」など、何ら具体例のないアドバイスは逆効果で、熱く話せば話すほど、さとり世代は冷めていってしまいます。

具体的に何がいけなかったのか、どのような行動をとれば良いのか論理的に説明してあげると話を聞いてくれるでしょう。

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その3|時間をかけて信頼を得る

個人主義で、煩雑な人間関係を嫌うさとり世代の若者も一人孤独に生きていきたいと思っているわけではありません。信頼関係が出来ている相手の言葉には耳を傾け、素直に従ったりするものです。

ただし、生きてきた環境や時代が違うのです。そう簡単に信頼関係は築けないでしょう。ゆっくりと時間を掛けて彼らの事を理解し彼らが求めるものが何であるかを考えましょう。時には「自分と関係を築くとどのようなメリットがあるのか」を打算的に説明してあげるのも合理主義のさとり世代には有効かもしれません。

その4|達成感を体験させる

幼少期に不況や災害の中の困難な時代を目の当たりにしてきたさとり世代は常に「努力しても報われない」という言葉が頭の片隅にあり、仕事などの物事へ対して一種の虚無感を持っています。

何か小さな仕事でも良いので、仕事を終えたら、しっかり褒めたり具体的な成果を認識させてあげましょう。小さくても達成感を積み重ねた経験によって「頑張れば報われる」という気持ちが彼らの中に芽生えてくるでしょう。

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その5|順序を踏んで重要な仕事を任せる

最初から重要な仕事を任せてしまうと、合理主義のさとり世代は無理だと判断してしまったり、そこそこの成果を目指して行動してしまいます。

一つ一つ仕事をこなしていけば自信もついていきます。自信がつけば自然と責任感や自主性が身についていきますので、はじめは無理をさせず、徐々に重要な仕事を任せると良いでしょう。

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