2013年度補正予算(5兆4654億円)が2月6日に成立した。この補正予算は、「好循環実現のための経済対策」として、駆け込み需要及び反動減の緩和策「すまい給付金」などの予算が計上されていた。国土交通省の補正予算を中心に、住宅に関連する事業について見ていこう。
2013年度補正予算は、「競争力強化策」「復興、防災・安全対策の加速」に加え、消費税増税による「低所得層・子育て世帯への影響緩和、駆け込み需要及び反動減の緩和」に重点が置かれている。
消費税増税に伴う家計負担の軽減策として、低所得者や子育て世帯に対して臨時特例給付金(1万円~1万5000円)が支給されることになるほか、影響の大きい住宅については住宅ローン減税の拡充とともに導入が予定されていた「すまい給付金」の支給が決まった。
「すまい給付金」は、住宅ローン減税を拡充しても恩恵を受けにくい、年収の低い層や現金で購入する高齢者層の負担を軽減するためのもので、税率8%の場合で10万円~30万円が給付される。
※詳しくは、筆者の記事「住宅の購入・建築を検討するなら、消費税を正しく理解しておこう」を参照
また、増税による住宅購入への影響を考慮して、長期固定型住宅ローン「フラット35」(住宅金融支援機構が民間金融機関と提携するローン)を頭金がなくても利用できるようにする。具体的な内容が、住宅金融支援機構のサイトに紹介されているが、2014年2月24日以降に融資資金を受け取る場合、これまで住宅の建設費や購入価格の9割までが融資率の上限だったものを10割まで引き上げる。ただし、この場合の適用金利は、通常のフラット35の金利よりも一定程度高く設定されることになる。
このほか、国土交通省の補正予算では、中古住宅の質の向上や流通促進に向けた市場環境の形成を図る「長期優良住宅化リフォーム推進事業」を支援する。すでに2月7日から事業の募集を開始しているが、国土交通省のサイトによると、
(1) リフォーム工事前にインスペクションを行い、工事後に維持保全計画等を作成すること
(2) 住宅の性能向上のためのリフォーム工事を行うこと
(3) リフォーム工事後に住宅の性能が一定の基準を満たすこと
の条件を満たすリフォーム工事事業に対して、戸当たり100万円を上限に、一定費用の1/3を補助するものだ。事業の応募期間は2月28日までとなっている。
国土交通省以外でも、林野庁の「木材利用ポイント」が9月30日までの購入や着工まで延長される。これは、木造住宅の建築や購入、木質化リフォーム、木材製品などの購入の際に、木材利用ポイントを発行し、地域の農林水産品などと交換を行うもの。
※木材利用ポイントについての詳細は、筆者の記事「最大で60万ポイントもらえる「木材利用ポイント」ってどういうもの?」を参照
また、経済産業省では、「民生部門に対する省エネ支援」として、家庭用燃料電池(エネファーム)や定置用リチウムイオン蓄電池の導入への支援、住宅・ビルの革新的省エネ技術の導入の支援を行う。
さて、消費税率引き上げが目前に迫っているが、住宅ローン減税の拡充やすまい給付金により、増税による影響は緩和される。また、木材利用ポイントの延長などもあり、慌てて駆け込む必要のない環境が整った。住みたいと思えるマイホームに出会えるかどうか、無理なく返済できる資金計画かどうか、わが家の基準でマイホームを選ぶことが大切だろう。